【ゼミ 発プロジェクト:レポート】公開講座 マンション住民の高齢化に備え、千代田区民のできること
2018年2月8日(木)に、高齢者総合サポートセンター かがやきプラザ 1階
ひだまりホールにて、「【公開講座】マンション住民の高齢化に備え、千代田区民のできること」が開催されました。
本プロジェクトは約9割がマンション住民である千代田区民として、「マンションで老いること」にどう備えるかを考えるために発足。
今回は、あやめ診療所院長で在宅医師の伊藤憲祐先生を講師にお迎えし、団塊の世代が後期高齢者となり、後期高齢者の人口が都心で一気に増える2025年に向けて住民の高齢化にどう備えるか、健康でいきいきと暮らす居住高齢者を増やすには何が必要なのかについて考える、公開講座を行いました。
会場には30名ほどの参加者が。お持ちの課題も様々です。
まず最初に、主催の及川さんより会の趣旨の説明があり、その後、伊藤先生による基調講演「在宅医療の経験から考える住民高齢化のリスクと、千代田区発のマンション・コミュニティ・モデルへの期待」が行われました。
その後、事務局の広石による進行で、主催の及川さんも登壇し「マンション生活者の視点から高齢化を考える」をテーマに3名でのパネルトークが行われました。
話された内容を抜粋します。
- 同じマンション内では、より過ぎず、離れず、お住まいの方との顔見知りになれることが求められている。
- 多様な価値観が慎重されることが大事。
- つながっていると、同じように動かないとという抑圧が生まれ、鬱につながる可能性はある。
- 関係が強すぎるコミュニティは発見が遅れる。
- 救急車が来ていることを知られたくない、という事情から連絡が遅れ、発見が遅れる可能性もある。
- 介護保険を全く使わない自治体はある。
- 千代田区は元気な高齢者の割合が高く、マンションコミュニティが関係ないと思っている傾向もあるのではないか。
- 体力は皆さんあるが、80歳になったときに急に衰えるケースが多い。
- 今言われているのは、タンパク質が足りないということ。もっと食べた方がいいと言っている。
- 認知症や健康の常識も変わっていくのではないか。
- 65とか75とか年齢で区切ることがナンセンス。
- 人生観や死生観を、パラダイムシフトしないといけない時代が来ている。
つづいて「意見交換会」と題して、約5人ずつのグループに分かれ、「マンション住民の高齢化時代に向けて、今、始めることは?」について話し合ってもらいました。
各テーブルから出てきた意見は以下の通りです。
- マンションという接点だけでなく、それ以外の有効な接点を探していかないといけないと思う。
- コンシェルジュがいるマンション住民と、今までの地域の人の融合はどこになるのか。
- オートロック付きのマンションに入ってくるなと言われたときに、民生委員はどうすればいいのか。
- これから平均寿命が100歳に伸び、70歳も元気な中で、保険や医療などが追い付いていない。
- 海外の方も多く住み始められているので、より高いレベルの多様化の意識が必要。
- 人はつながりましょうといってはつながれない。一緒に体験する、一緒に苦労する体験でつながっていく。
- 遠慮しがちとか、自分からいけない人もいるので、おせっかいの人がいることも大切ではないか。
- 予防のためにはつながるのではない、地域の人が楽しみながら関係をつくっていくのが一番大切だ。
最後に、主催の及川さんからの挨拶があり、会は終了しました。
「マンション住民の高齢化に備え、千代田区民のできること」について考えるきっかけになれば幸いです。