【開催レポート】ちよだミライ対話「地域交流、コワーキング活用、二拠点生活など、テレワークを活かす新しいライフスタイルを考えよう!」
2021年3月8日に、ちよだミライ対話「地域交流、コワーキング活用、二拠点生活など、テレワークを活かす新しいライフスタイルを考えよう!」を開催しました。
千代田区は、これまで、昼間人口85万人と言われており、その千代田区に通う人数を前提に経済活動・コミュニティ活動がなされていました。本会は、コロナウィルスの影響でテレワークが進み、千代田区に通う人が減る中で、「テレワーク時代に考える。都心の千代田で働くことの意味・新しい可能性って?」を考えるちよだミライ対話の第2部です。千代田区在勤の方を中心に、6名の方のご参加がありました。
参加者の方々に問いかける人は丑田俊輔さんです。丑田さんは2004年から神田錦町で働き始め、2014年からは千代田区の姉妹都市でもある、秋田県五城目町に暮らしながら、千代田区と行き来する生活を送っていらっしゃいます。
本会は丑田さんの「都会か田舎か、オンラインかリアルか、といった二項対立を越えて、新しいライフスタイルや千代田に暮らす・働くことの価値を考えたい」という思いのもと開催されました。
まずは丑田さんからの自己紹介がありました。神田と五城目町の二拠点生活だけでなく、コロナ禍以前は年に4・5回は海外旅行をしていたそうですが、最近は秋田県内で釣りなどのアウトドアを楽しんでいるそうで、自然が近い、地方ならではの過ごし方をされていることが伺えました。
丑田さんからの話題提供の様子
参加者の自己紹介が終わったのちに、「千代田に来る意味とは?」というテーマで意見交換をしました。
参加者からは
- せっかく区内に新しいオフィスを構えたが、コロナで社員が減りもったいない。広いスペースを、大学生や地域住民が活用できるようにしていく予定。
- 千代田区には沢山企業があるのに、地域住民に認知されていない企業が多く、「企業が地域にない」と感じる。会社員にしてみれば、仕事以外に千代田に来ることなく、それは本当にいい地域のあり方ではないと考えている。
などの意見が出ました。それに対し、丑田さんは、地域と交流するためには「きっかけ」が大切だとおっしゃいました。ご自身のオフィスの屋上菜園では、地域住民向けの農業体験やBBQを行なっているそうです。丑田さんは「数打ちゃ当たる」という考え方を大切にしており、関わりたい思いのある人が小さなイベントを積み重ねていくことや、様々な人が参加できるような“関わりしろ”を用意することを重視していらっしゃるそうです。また、他の参加者の方からも、地域活動には、自分から飛び込むことが大事だという意見もありました。
さらに、ある参加者の方が勤める企業では、千代田区内でのつながりづくりだけでなく、山梨県の桃農園と連携し、地域間交流に取り組んでいるという紹介もありました。千代田区と他地域の交流について、丑田さんからは「日本は地方から地方に移動するのは大変だが、地方から東京に来るのは比較的容易なので、地方から千代田に来た入居者同士が出会う場をつくるのも面白い」というアイデアが出ました。
続いて、区内在勤者が多いことから、「テレワークを推進していく上で『千代田区にこれがあったらもっと充実するのに…!』というものは?」という問いの下、テレワークが広がる中での「働く場所の価値」について話し合いました。
参加者からは
- 育児との両立がしやすいのでテレワークは割と満足している。しかし、ずっと自宅にいてはアイデアが浮かんでこないので、オフィスではなく、人と話をしたり、人がいる場が欲しい。
- 働く場所は一箇所に限らないと思うが、セキュリティが心配なので、私は職場と自宅のみで働いている。静かすぎる環境も苦手なので、雑音などがある程度あるカフェのような環境が、必要だと思う。
- Web会議の回数が増えてくると、スケジュールがガチガチになって、一日中、会議になる。テレワークで自分のスケジュールを管理しやすくなったが、逆に管理されやすくもなった。そういう時に、ちょっと休憩できる空間があるとよい。
- (前述の山梨県の桃農園の話をうけて)桃が置いてあるコワーキングスペースがあったら、すごく行きたい。桃を食べながら、人と話す事で、桃を使ったビジネスのアイデアが生まれそう。
- 感染予防をしつつも、雑談が自然に生まれるしかけ作りがオフィスには大事ではないか。
という意見が出ました。一方、丑田さんからは、千代田のオフィスの近くにはサウナもあり、心や体を整える必要を感じた時に利用しているそうで、千代田に限らず、自分に合ったリフレッシュの場が暮らす場所や働く場所にあると良いのではというお話もありました。
最後は二拠点生活の話題になりました。数名の参加者の方は、地方移住に興味を持っているが、なかなか踏み出せていない様子でした。参加者からの「年に数回地方に行くだけでリフレッシュ出来るのは確かだが、実際に五城目町では仕事中もリラックスしているのか?」という質問がありました。丑田さんは「アウトドアや温泉が好きなので、日常がリゾート状態。自分にとっては都会に行くのが逆に非日常。どっちに住んでいても、どちらかが日常または非日常になり、日常を楽しみつつ、かつては日常だった都会暮らしの見方が変わり非日常も楽しめるようになるようになる。このように、田舎か都会かの二項対立ではなく、日常と非日常がなめらかに繋がっていくような形になるのでは」と、二拠点生活ならでは感覚を教えてくださいました。
また二拠点生活では、どうしても交通費は高くなってしまうという点にも言及されました。その上で、お裾分けや畑で何かをつくるといった地方ならでは非貨幣生活をどれだけ取り込み楽しめるかも大切だと、丑田さんはおっしゃいます。
二拠点生活について、参加者からは他にも
- 憧れるし、そのような生活を楽しみながらやれるのは羨ましい。すぐには飛び出せないが、二拠点生活に関しては常に考えていきたい。
- 東京と地方、半年ずつが良いかも。
- 都心と地方で協力して、出張のときオフィス借りたり出来る姉妹企業が生まれると良い。
などの意見が出ました。
最後に丑田さんから、「エリアを超えて、一人になりたいとき、おしゃべりしたいとき、土に触りたいとき、アウトドアでZoomしたいときなど、それぞれの地域ごとにできる体験があり、個人が気ままに選択できる場所の一つとして千代田があると、千代田に通う魅力が作れるのではないか。また、千代田にあるそれぞれの企業が千代田を軸に縁をもっている地域と有機的に繋がり、日本中で、どんどんその線が密になっていけば、暮らす人、働く人、訪問する人が交差して何かを生む可能性を感じた」という感想をいただき、本日の会は終了となりました。
丑田さんからのメッセージ
本ちよだミライ対話での議論は、3/13に開催された「ちよだコミュニティラボライブ!2021」のテーマ「テレワーク時代に千代田で働く意味は?可能性は?」でも、引き続き議論されました。