2020年からオンライン・ミーティングの活用は急速に広がりました。これまでオンライン会議とは縁遠いことが多かった地域活動や地域福祉においても、オンライン・ミーティングが使われるようになり、80代など高齢の利用者の方も増えています。
「顔を合わせて話すのがいいよ」というのもその通りなのですが、地域活動にとってオンライン活用には対面とは異なる可能性があります。
例えば、自宅から参加でき、時間帯も柔軟に設定できるため、子育てや介護をしている人、現役会社員の人も参加しやすくなります。また、転居した人や離れた場所にいる人も、ご高齢で足が不自由な人も参加できるようになります。会場の予約も必要ないので小まめに会を開けます。
ある街では、ご高齢の方が楽しみにしていたイベントの前に入院したのですが、病室からオンラインで参加できた姿を見て、「高齢者こそITを使わないと」という声も出たそうです。
ただ、どう活用すればいいか戸惑う人、機器の扱いの苦手な人もいます。そのような多様な人も参加でき、つながりが充実するには、どのように地域でのオンラインを活用していけばいいのでしょうか? 経験や疑問を持ち寄り、一緒に考えましょう。
対話の内容
<まとめ>
・オンラインツールだからこそ、今まで繋がれなかった人と繋がれる可能性が広がる。
・高齢者の方が持っているデジタルツールやアプリを活用するときの恐怖心を無くしていくことが重要
<話題提供者の問いかけ>
◎丸橋千加子さん 家族介護者サロン♡ランプの灯
「オンラインになっても高齢者がサロンや地域活動に参加するには?」
コロナ禍になり、これまでと形を変えて活動を行ってきたが、オンラインでは話しづらい内容なども分かってきた。逆にオンラインだからこそいろいろな場面で繋がれることも分かったので、いろいろな視点が欲しい。
◎及川早苗さん 健康づくりを楽しむ会
「高齢者が参加しやすいオンライン活動の形とは?」
食事・運動・社会参加は高齢者にとっては重要。コロナ禍でも人と交流したい気持ちは変わらない。高齢者のニーズもあるが、デジタルツールの使い方を教えてくれる場所があると嬉しい。
◎須藤將太さん 丸野遥香さん 株式会社セールスフォース・ドットコム
「企業の資産を地域活動に活かすためには?」
ちよだボランティアセンターの紹介でzoomの使い方を講師として講座を実施。高齢者の方は、インターネットやアプリを使うときの恐怖心を無くすことが重要だと感じた。
◎小林大輔さん 秋葉原無線部
「インターネットでつながって高齢者が持つ知恵や技術を次の世代に残すためには?」
アマチュア無線は昭和時代のSNS。高齢者の方々も活動されているが、現在は社会的なアウトプットに繋がっておらず、もったいない。オンラインツールを使って、高齢者の技術や知識を社会にアウトプットしていきたい。
<主な意見>
・オンラインツールは人と人とのつながりをつくっていくもの。怖がらずにツールを活用していってもらいたい。普段会えない友人や仲間とも会える可能性が広がっていく。
・「高齢者」というくくりではなく、高齢者の中にも携帯キャリアや機種なども様々なものを使っている人がいる。携帯キャリアに合わせた対応が必要。特に“らくらくフォン”は、特殊な設定になっており、教えるのが難しい。だが、それぞれのレベル別・キャリア別に講座を実施するのは相当手間がかかる。
・千代田区内にある多くの企業の力を借りて、連携していけると良いのではないか。