【レポート】1Day Fun Live@CHIYODA まちの文化祭 ~ちよだコミュニティラボライブ!2025
令和7年3月2日に、「1Day Fun Live@CHIYODA まちの文化祭~ちよだコミュニティラボライブ!2025」を開催しました。
7回目となる今年は、千代田区のコミュニティで活動するさまざまな36の団体がプログラムを持ち寄り、「活動体験」ができるイベントとして「まちの文化祭」を開催しました。
また、これまで地域の活動に馴染みのない方にも、気軽に活動を体験頂ける機会、地域の活動を知る機会ともなりました。さらに、それぞれの活動団体が相互の活動体験することで、それぞれの活動への理解を深め協力やコラボレーションへとつなげる機会ともなりました。
当日は、親子連れなど新しい参加者123人を含む、184人の参加がありました。
当日の様子は、東京ケーブルテレビのあらぶんちょ!チャンネルで、ご覧いただけます。
第1部 コミュニティ・イベントを見て・聞いて・体験しよう!
第1部は、鼓鍛冶(鍛冶町二丁目町会お囃子部)による神田囃子で幕を開け、町会、活動団体、大学、企業等の36団体よる37の体験プログラムが実施されました。親子連れなどが多数参加し、活動体験を楽しんでいました。
体験会プログラムは、4ターム行い、体験会実施団体も自分の活動以外の体験会に参加できる時間割となっており、互いのプログラムに参加する様子もみられました。
ワークショップで交流しよう
①暮らしを考えはじめる10の質問~だれかと話すと見えてくる! その人にしかない暮らし。
(千代田での丁寧な暮らしを話そう!)
質問が書かれたカード引きながら、それぞれの問いについて自分の考え対話を行いました。
② 「ジェンダーカード」体験ワークショップ(千代田区男女共同参画センター(MIW))
「職場の華って言われてうれしい?」「学校の名簿は混合名簿?男女別名簿?」などが書かれたカードを順番に引きながら、身近なジェンダーを考えていきました。
③ユーモアスピーチにチャレンジ(NPO法人シニア大楽)
シニアにユーモアと千代田区で毎月実施している「ユーモア―スピーチの会」の体験版です。メンバーの皆さんが、楽しいスピーチを披露していきました。
④ 世界を旅する異文化ワークショップを体験してみよう(NPO法人ナタデココ)
「心に世界地図を」と異文化に触れる楽しさを伝えるNPO法人ナタデココ。異文化コミュニケーション学に基づく「ワークショップ」を実施しました。
⑤ 本をきっかけに世界を広げる(ブッククラブ)
同じ本についての感想を話し合ったり、おすすめの本を紹介し合ったりすることで自分の世界を広げようと立ち上がった活動です。会の説明や、絵本の紹介などを行いました。
⑥ 絵本が紡ぐ多世代間交流‼~絵本の読み聞かせNPO法人りぷりんと・ネットワーク
シニアによる絵本の読み聞かせ活動を20年以上も続けているりぷりんと・ネットワーク。活動の紹介や実演を行ったり、また、一人一人のお子さんへ読み聞かせもしました。
⑦帰宅困難者支援施設運営ゲーム(KUG)デモ、大規模災害時における学生ボランティアの育成とネットワーク化に関する研究発表(【幹事大学】東京家政学院大学)
千代田学採択大学である東京家政学院大学を中心としたキャンパスコンソで取り組んできた研究の紹介と共に、KUGゲームを実演しました。
⑧まちの拠点39baseの使い方を考えよう!(大和ハウス工業株式会社)
12月に飯田橋に開設されたまちの拠点「39base」。地域の方に活用をしてもらいたいと、拠点についての紹介と、この場所をどんなふうに使いたいか、アイディアを出し合いました。
ものづくり、ものを活かした交流
①神田藍の会の紹介&藍の種まきの準備、染めグッズ(くるみボタンヘアアクセ)づくり(神田藍の会、井上淑子)
千代田区で藍を通したつながりづくりの活動をしている神田藍の会。千代田で育てた藍で染めた色々な素材の布で、くるみボタンのヘアアクセサリーの制作ワークショップを行いました。
②パラコードストラップづくり(はだしのsoulちよだ、井上淑子)
はだしのsoulちよだは、裸足に近いワラーチ(草履)を履いて健康になろうという取組みです。そのワラーチの鼻緒となるパラコード(パラシュート用の丈夫な紐)を使ったチャームづくりのワークショップを行いました。
③牧野富太郎 植物画ぬり絵(ぬり絵の会)
一人暮らしの高齢者の方が集い一緒に楽しめるものをと始めた塗り絵の会。今回は、牧野富太郎の植物画の見本を見ながら色鉛筆で塗っていくワークショップを行いました。
④初めての方でもカンタン!オリジナルハンドメイドの万華鏡を創ってみよう(及川昌子)
世界に一つだけの自分だけの万華鏡を作れるワークショップを行いました。できた万華鏡は覗き見るだけでなく、携帯カメラを通しても見ることができます。
⑤電気の世界に触れてみよう 電気資材アクセサリー作り(電設資材アクセの白金電設)
電気資材に触れることで、電力供給や科学技術に興味をももってもらいたいと活動しています。電気資材、電線、電気工具を用いてアクセサリーを作りました。
⑥つくって学ぶ「野菜」の魅力(明治大学農学部アグリサイエンス研究会)
明治大学黒川農場にある研究室の岩崎先生から、野菜や野菜の作り方を学び、また、自分たちで育てることを通じて、野菜をもっと身近に感じてもらいたいと、参加者には水菜の苗を配られました。
⑦繋がるフリマ(Fujimi Action)
助け合える、楽しい繋がりを街の中に作ることを目指して色々なイベントの活動しているFujimi Action。今回は、フリーマーケットを行いました。子供服や小物のリユース品がたくさん並んでいました。
暮らしのつながりを考える
①教えて!町会のこと~町会活動の紹介、町会Q&A(四番町町会(鏑木耕三会長)、三番町町会(上村友子会長)、富士見2丁目町会(鏑木雅裕会長))
四町町会の鏑木会長からは、イベントに参加していた若い方に継続的に声かけをした結果、町会の手伝い(主にIT化)をしてもらえることになり、懸案だった町会のSNSやブログが立ち上がった取組みをお話いただきました。
② 教えて!町会のこと~町会活動の紹介、町会Q&A(神田旅籠町会 会計兼防災部長 福地万太郎さん)
神田旅籠町会の福地さんから、町会の紹介に加えて神田祭への町会の関わりについても紹介がありました。町会の運営については、副会長が全員50代に交代し、それぞれ事業の担当部長にして役割分担を行うなどの取組みについてお話していただきました。
③ マンション管理を考えよう(NPO都市住宅とまちづくり研究会)
マンション管理とお金について、参加者で話し合いました。参加者からは「管理費など、言われるままのものだと思っていたが、さまざまな工夫ができることを知ることができた。内部のコミュニティの活性化も自分たちで考えることが必要だと思った。」という声が聞かれました。
まちを歩いてみよう
①九段の桜と歴史の現場を歩いてみれば(CC×Tokyo)
暮らしているからこそ感じる「ちよだの魅力」を伝え、一緒に楽しみたいと活動しているCC×Tokyo。今回は、九段下周辺の「226事件」のゆかりの地などをまち歩きしました。
②バリアフリー調査:車いす体験で千代田のまちを体感しよう(NPO法人リーヴ・ウィズ・ドリーム)
区役所周辺を車いすでまちに出かけバリアフリー調査の体験をしました。バリアフリーマップの説明もありました。
③はじめての神保町街あるき(千代田区立千代田図書館)
「はじめての神保町街あるき」は令和6年秋にも開催されたプログラム。今回はその体験版です。千代田図書館コンシェルジュが、神田神保町の古書店街を歩き、魅力を伝えました。
一緒に楽しもう!
①神田囃子を演奏してみよう(鼓鍛冶(鍛冶町二丁目町会お囃子部))
鼓鍛冶は、千代田区では珍しい町会直属のお囃子連です。参加は神輿渡御の際に演奏するシンプルな楽曲で太鼓をたたくと、笛と鉦を加えてその場で合わせもらえる体験を楽しみました。
②千代田区ゆかりの音楽家の歌を歌おう(エンジョーイ歌ンターレCHIYODA)
滝廉太郎などのゆかりの音楽家の歌を歌う活動紹介とともに、千代田区歌を参加者と一緒に歌う体験をしました。また、第1部の終了時には、ちよダンと一緒に、区歌でダンスを行いました。
③千代田区歌でおどってみよう(ちよダン)
どこでも誰でも踊れるちよだオリジナルのダンスとして、千代田区歌で踊るダンスを練習し、第1部終了時には、エンジョーイ歌ンターレCHIYODAと連携し、会場で踊りました。
④皆でボッチャをやろう!(おもちよ2015)
おもてなしボランティア団体である「おもちよ」では、年齢、性別、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒に競い合えるボッチャの普及にも力を入れています。
活動紹介&プレゼンテーション
①あらぶんちょ メタバースSDGsフェスタの紹介(東京ケーブルネットワーク株式会社)
文京区・荒川区・千代田区の教育機関・企業の SDGs に対する取り組みをメタバース上で展示し、区民の皆様に広く周知するイベントの紹介を行いました。毎年、区内の大学も多数参画しています。
②ママサークル(mama,smile!/woman,smile!)
mama,smile!/woman,smile!は、11月のちよだ文化祭をきっかけに活動を始めた団体です。子育て中のお母さんの集まれるサークル活動や4月のイベントについて紹介しました。
③半蔵門縁日(半蔵門縁日実行委員会)
半蔵門縁日は、「半蔵門にはお祭りがない…」と感じ、子供も大人も楽しめる縁日を開催したいと有志で始めたお祭りです。4月5日に開催予定の「桜とアートの協奏曲」の紹介をしました。
④ちよだスプラッシュ活動紹介&連携地域募集(ちよだスプラッシュ)
ちよだスプラッシュはチーム対抗で頭に付けたポイを水鉄砲で狙う水鉄砲ゲームの大会です。町会行事としての実施されている地区もあり、他地域での展開について呼びかけがありました。レーザーを使ったゲームでの体験会も実施しました。
⑤ワラーチ履いて皆健康!(はだしのsoulちよだ)
健康づくりは裸足からのコンセプトに活動を立ち上げたばかりの団体です。裸足の感覚になれるワラーチを手づくりし、それで歩き健康になろうという活動です。 なぜ、ワラーチなのか? これからどのように活動を展開していきたいかを紹介しました
大学連携「千代田学」研究発表
令和6年度の千代田学採択大学による研究発表や、制作映画の上映も実施しました。
千代田学の研究の詳細は以下のサイトで紹介しています。
■千代田区民と食と農の課題について畑で考える(明治大学農学部アグリサイエンス研究室
■神保町・駿河台下交差点周辺地区のまちづくり協議に関する調査(明治大学理工学部建築学科、共立女子大学建築デザイン学部、日本大学理工学部建築学科)
■創作作品における坂道の研究を通し千代田区の坂を舞台にした短編映画制作、映画「千坂物語」上映(城西国際大学メディア学部 佐藤克則(佐藤ゼミ))
■千代田区の高等教育機関(大学)としての役割の検証―文化的多様性における国際性に関する観光資源の調査と発信および受信―(専修大学)
■千代田区の伝承を未来に引き継ぐための「千代田区怪談お散歩マップ」(共立女子大学今井秀和研究室))
第2部 体験をシェアし、これからのつながりを考えよう
第1部の体験会の感想等を含め、「千代田区で人がつながり、活動が活性化するには?」というテーマで対話を行いました。「どんなネットワークがあればいい?」「ちよだ文化祭で何をしたい?」について、活発な意見交換が行われました。
【主な意見】
■他の団体や多様な主体の考え方を聞き、交流し、つながりを感じる機会が必要
- このように立場の違う方々と交流できるのがよい。地域コミュニティに意識が高い方々の集まりなので、大いに勉強になる。
- 素敵なご縁がありました。このつながりを大切にして、活動を広げていきたい。
- まずは集まって(顔が見えることが大切)、体験して他の活動を知ることが大切だと感じた。
■今後も活動を継続したい/今後もこのようなイベントを実施したい。
- 参加者からのフィードバックが活動を続ける意欲になった。
- ラボライブの継続でネットワークが育ってきた。更なる地域のリソースとのつながりを!
- 小規模でも定期的にこのような場ができたら。
- 文化祭だから、色々なことをしたい(ステージ、食べ物提供、体験の場、企業の参加等)
■つながりづくり、ちよだ文化祭のアイデア
- 大学や企業ともっと連携したいが、連携先が信頼できるかの担保は必要
- 多世代間での交流をしていきたい。
- デジタルツールの活用ができたら(周知、PRをみんなでできる仕組み、活動の見える化)。
- やりたいことが書き込めるプラットフォームがあれ
- 健康などテーマを決めて開催
クロージング
対話を終え、最後にイベントに参加した感想を共有しました。
神田旅籠町会の福地さんから「今回初めて参加させていただき、どのように活動を活性化させていくのか、いろんな貴重なご意見をいただきました。皆さん色々考えていても、どうしても壁が高いように自分の中で思ってしまっている。しかし、この場に来れば、その壁っていうのは実は案外早く壊せるものだと、どんどん人が繋がっていけるものだと感じました。とても楽しく、いろんな方と知り合う機会になりました。」というコメントがあり、令和6年度のちよだコミュニティラボライブは終了となりました。
【参加者の声】
■地域のことや活動について知ることができた
- 今回参加してみて、これまで知らなかったが、千代田にこんなに活動があるのを知った。
- 同じマンションの人に偶然会って、その人がこんな活動をしていることがわかって、すごくわかり合え、深く繋がれた気がしました。
- 今回参加して、こんなにたくさんの活動があることを知った
- まち歩きに参加して、普段なんでもない公園だと思っているところが、歴史的に意義があるんだと知れてよかったです。
- 一つのテーマでそれぞれの考え方を聞けたので、とてもよかった。価値観はいろいろあるんだと思った。
- 千代田区で活動していたけど、知らない団体も多いし、「こんなことやってる団体があったんだ!」と思うところがあった。
■体験会が楽しかった
- 子供が一緒に参加できるのが良かった。
- 学ぶことが多かった。子供たちは塗り絵とバリアフリー調査体験で車椅子に乗れたのが楽しかったようです。
■今後の活動へつながった
- 近所のお茶のみ友達の集まりとして実施していたが、せっかくだからもっと広げてはという言葉に後押しされて、今回チャレンジしてみた。子どもも、大人も楽しんでもらえて、また、アイデアも頂いたので、今後も持続していけるのではと思えた。
■つながることへの期待と集う「場」の役割を感じた
- ちよだ文化祭は年に1回と言った形になるかもしれないが、もっと小規模でもできるとよいのではと思った。
- ちよだ文化祭は、自分のやりたいことなんでもできる会だと思います。勢いと思いきりが必要だと思うので、本当にどんな些細なことでもいいので、やりたいと思ったらまず手を挙げて、そこで仲間を集めて、気軽に参加してもらえたらいいかなと思います。
- 本当にこんなに賑わって、いろんな方がまた新しい繋がりが今日できて、またこれが次に次に行って繋がっていくと楽しくなると思います。「これをやんなきゃ」じゃなくって、ゆるくゆるく、楽しく、やっていけば、きっとすごい成果が出るのではないかと改めて思いました。
- オンラインではなく、現地で顔を合わせること、お互いの活動を体験できたことがよかった。
- このような場に来て、活動されている人の話を聴くことはとても学びになった。