【レポート】地縁の会「運動やスポーツで地域のつながりをつくるには?」

202437日に、「運動やスポーツで地域のつながりをつくるには?」を開催しました。本イベントは、身近な場所で行われている「スポーツ」「運動」でつながりを作っている活動をヒントに、地域のつながりについて考える会です。オンラインを含め、23人の方の参加がありました。

イベントの様子

①  話題提供 スポーツ・つながり・健康について

武藤順子さん(武藤順子予防医学研究室 室長)からは、ご自身の専門やご経験から、スポーツ・運動について「環境」「アート」「つながり」の3つの視点でお話を頂きました。

話題提供

<武藤順子さんのお話>
学生時代の生物実験で、生物にとって遺伝要因よりも環境要因に影響を受けることが多いことを知り、とても興味を持ちました。人がよりよく生きるには、この「環境」が大事で体も心にも影響を与えます。運動においても、運動の内容もそうですが、温かく迎えられた、思いをシェアできるといったことが大事で、活動紹介を頂くみなさんはこの環境づくりに取り組んでいるのではと考えています。
人は繋がりを育む生き物で、コミュニティで人と会って運動をして話をしてほっこりする。このようにいい気分になるというのは、副交感神経を優位にし、リラックスした状態にしていきます。運動というのは、この繋がりを生むものでもあり、心身ともに穏やかな気持ちをつくっていくものではないでしょうか。

今日は、こういった視点から、皆さんの活動をみると、とても素晴らしい取組みをされているのがわかると思います。

②  千代田の活動紹介
1)今日からできるラジオ体操
千代田区ラジオ体操会連盟 鈴木映子さんからは、90年以上の歴史があり手軽にできるラジオ体操の奥深さと共に、ラジオ体操を通じたつながりについてご紹介いただきました。

ラジオ体操会の取組み紹介

<鈴木さんのお話>
今年で誕生から96年目になるラジオ体操は、4分ぐらいで人の骨や筋肉を前後左右どちらもできるだけたくさんの関節を動かし、ひずみがない体に整えるように良く考えられています。リフレッシュもできますし、仲間と一緒に行うやることで楽しさが生まれ、心の健康にも繋がります。

千代田区ラジオ体操会連盟では皆さんと仲良くつながるために、夏は合同ラジオ体操会、春と秋には、みんな元気に歩こう会、ウォーキングin千代田を実施しラジオ体操愛好家の交流を促しています。
区内約40会場で行われているラジオ体操会の中には、毎日通っている間に交流ができ、有志により楽しい企画が生まれているところもあります。ある会場では、お正月にはラジオ体操の後、初日の出を拝み、ホテルにお節料理を食べに行くのが恒例です。一人暮らしのお年寄りも一緒にお正月気分を味わうことができます。

また、資格を持っている指導者は連盟では、ラジオ体操普及のをもっと広めるため、小学校、会社、事業所、お達者クラブ、デイサービスなどでの指導も携わってに指導に伺っています。

2)神田プロレス&こどもフェスタ

神田公園地区連合町会青年部 池田貴央さんからは、コロナ禍で制約のある生活を送っていた子供たちのために、また、地域を盛り上げるために開催したスポーツイベント「神田プロレス&子供フェスタ」についてお話を頂きました。

神田プロレス&こどもフェスタの紹介

<池田さんのお話>
神田公園地区連合町会青年部は、連合地区の共通のイベントを実施したり、体育大会の運営サポートをしています。神田プロレス&こどもフェスタは、2022年に開催したイベントです。コロナ禍で生活が制限されてしまった子供たちに「体を動かすことを楽しませてあげたい」、またイベントを通じてコミュニティの活性化したいと、神田公園地区連合町会が一致団結して開催したものです。イベントとしては、①ドッチビーを使った体操、②ドッチビーの体験、 ③ちびっ子プロレス教室、④プロレスを3試合の観戦する(神田プロレスさんご協力)といったプログラムで行いました。
子供たちは思いっきり体を動かして楽しみ、大人たちはそれを笑顔で見ていたというのが印象的でした。 老若男女、年齢問わず、楽しんでいただいたという意味ではコミュニティの活性化に繋がったと考えます。実際、イベントの企画・運営は大変でしたが、運営した我々も楽しかったです。

3)ウォーキングサッカー

上智大学 学生団体「シャクル」の遠藤さんからは、シャクルの取組みやウォーキング・サッカーについての紹介がありました。武藤先生も、ウォーキング・サッカーの普及にも取り組まれていますが、老若男女が取り組めるものとして注目されているそうです。

ウォーキングサッカーの紹介

<遠藤さんのお話>
「シャクル」はサッカーの可能性を広げていこうという団体で、上智大学をはじめ複数の大学からなるインカレサークルです。サッカーJリーグチームの地域貢献活動にも学生団体として関わっています。シャクルのウォーキング・サッカー部門では、地域の方々と一緒に上智大学で定期的ウォーキング・サッカーしています。ウォーキング・サッカーは、走る、体をぶつける、ボールを強く蹴る、腰より上にボールを上げる、といったことが全て禁止されていますので、年齢や性別、サッカー経験の有無に左右されることなく、みんなが、1つのボール、1つのピッチでゲームをすることができるスポーツです。また、バスケコート1面があればできます。しかし、サッカーと名前がついているためか、サッカー未経験の方や、女性の方になかなか参加していただけません。また、地域でも色々と連携できたらと思っています。今後、どのようにしてウォーキング・サッカーの輪を広げていけるか、試行錯誤しているところです。

4)銭湯でゆる~くエクサ・サイズ

がんサロンCancerおしゃべりCafe 水戸部ゆうこさんからは、ご自身が癌になった経験から立ち上げたサロンのお話しや、闘病している方こそ運動が必要と言ったお話をしていただきました。

銭湯でゆる~くエクサ・サイズの紹介

<水戸部さんのお話>
私自信、がんを闘病中で、病気についてブログに綴ったこところ、同じ悩みを持つ若い世代の人がたくさんいること、多くの人が病気のことを口に出せずに抱えていることが分かり、この活動をはじめました。日本人の2人に1人ががんになるという時代に、多くの人にがんについて知ってもらいたい、分かり合える世界に社会が変わっていくといいと思って活動しています。
がんサロンは神田の稲荷湯で、2か月に一回、開催しています。悩みや話したいことを自然に話せるようになればと思っています。また、乳がん患者の方など銭湯や温泉に行きづらいということもあるので、サロンの最後には、みんなで一緒にお風呂に入るというのも恒例です。
一方、がんの闘病においては、必ず運動が大事ということを聞き、無理のない範囲で体を動かすエクササイズなども取り入れる活動も始めたいと思っています。
なかなか表だって自分ががんだと言えない人が多い中で、当事者の方にリーチするのが難しい状況です。ぜひ、そんな人がいたら、こんな活動もあるよと伝えてあげてもらえたらと思っています。

5)ちよダン

一般社団法人エスコートダンス協会 野口幸代さんからは、ダンスをまちづくりに活かしたいという思いや、ちよだコミュニティラボでの出会いから一緒に体験会を開いたことなどもお話し頂きました。

ちよダンの紹介

<野口さんのお話>
エスコートダンスは、協会で作った新しいダンスで、簡単で誰でも踊ることができます。ダンスを通じて、相手と合わせる、相手のことをくみ取る、自分の意向や意思を伝えることを育むもので、また、だれともコミュニケーションができます。
ダンスで、人に触れること、関係性を築くことを練習しておくと、とっさの場合でも助け合いができ、防犯や防災にも役立つと考えます。エスコートダンスをまちづくりに取り入れることで、地域の方々のつながり、助け合いにつながると思っていますので、地域活動の交流のツールとしてぜひ取り入れていただきたいと思っております。
まちづくりサポートの助成金に採択され、今、千代田のオリジナルダンスとして「ちよダン」を考案中です。皆様と話し合いながら愛されるダンスを作りたいです。

また、ちよだコミュニティラボでの出会いから、大妻女子大学で、他の団体さんと一緒の体験会も開催しました。団体同士のつながりも深まり、これからもこのような取組みが一緒にできたらと思っています。

6)ボッチャなどユニバーサルスポーツ

千代田区立障害者福祉センターえみふる堀田徹さんからは、えみふるが目指すことと、ユニバーサルスポーツに取り組む意味、これから取り組みたいことなどについてお話をいただきました。

ユニバーサルスポーツの紹介

<堀田さんのお話>
千代田区立障害者福祉センターえみふるでは、障がいのある方だけではなく、地域の皆様にも足を運んでいただき 、新たな交流や絆を深められたらと、色々な講座やイベントを実施しています。ボッチャの講座も10年前に道具の寄付を頂いたことをきっかけに開催しています。
ボッチャは白いジャックボールにできるだけ近づけることを競うもので、入口が広くて、奥が深いスポーツです。
また、ボッチャの他にも、誰もが楽しめるようなスポーツの経験の機会も提供しています。どれもスポーツを一緒にやることで自然にコミュニケーションが生まれて、終わった時にはみんな仲良くなって帰っていきます。障がいがあるなし、混ぜこぜで、皆さんが共に楽しめるのがよいところと思っています。今後は、千代田区内にコミュニティカフェをオープンして、ユニバーサルスポーツの体験イベントを予定しています。
また、私自身がボッチャの審判の勉強をしていますので、出前でボッチャ講座をやってほしい、一緒に楽しみたいなどのご要望にもお応えしていますので、ぜひお声がけください。

7)シルバートレーニングスタジオ/ちよフル体操

シルトレ講師/作業療法士の今井悠人さんからは、シルバートレーニングスタジオの取組みやその中でつながりができいること、また、千代田のご当地体操である「ちよフル体操」を活用して介護予防や集いの場づくりに活かしてもらいたいというお話がありました。

シルバートレーニングスタジオ
ちよフル体操の紹介

<今井さんのお話>
シルバートレーニングスタジオ(シルトレ)は65歳以上の区民の方であれば誰でも参加できる運動や体操をする集いの場です。現在は約600名の登録があり、これは千代田区の65歳以上の約5パーセントにあたります。10年以上参加されている方、90代の方も何名も通っておられます。ご自分で歩いて来て、運動して、帰りにお茶を飲んでという、仲間内の繋がりもあります。
ちよフル体操は九段坂病院の先生が作った体操で、千代田区のホームページに「自宅でできる体操の紹介」として動画が掲載されています。
実際に「ちよフル体操」を自主グループやサロン活動で行ってもらえたらと思っています。また、こうしたグループやサロンが高齢者の通いの場として知られて参加してくれる人が増えたらと思い、在宅支援課の介護予防係と一緒に、自主グループのカタログの作成もしています。

8)ちよだスプラッシュ

Fujimi Actionの戸田恭子さんからは、ちよだスプラッシュ(水鉄砲大会)を始めるに至った思いや、この夏の取組みについてのお話がありました。

ちよだスプラッシュの紹介

<戸田さんのお話>
「ちよだスプラッシュ」は水鉄砲バトルゲームです。この夏に開催できればと、カラフルラボ、神田猿学町町会、富士見アクションの3団体で企画を進めています。3人1組で頭につけた的を水鉄砲で打ち合い、打たれた人数の少ない方が勝ちとなる1回3分程度のゲームです。地区予選を行ったのち、上位のチームによる決勝大会を開催できればと思っています。
もともとFujimi Actionは、水鉄砲を使ったイベントに限らず、町会のイベントでフリーマーケットしたりと、イベントを通して地域の方の繋がりを作ることを目的としている団体です。ですから、イベント開催の目的は、地域の方々が参加するだけでなく企画を通してつながる機会をつくれたらと思っています。さらに、地域の民間企業の方にも参加頂き、新たな地縁の創出もできたらと思っています。

活動紹介の後、ゲストの武藤さんからは「それぞれの人が、運動という側面を大切にしながらも、スポーツや運動を通して交流しコミュニティを作っていく、人と人とが触れ合っていくことを認識して実施されているのに感銘を受けた。スポーツに誰でも、体が弱くても参加できる機会を作っているのがすばらしい」とのコメントで、会は終了となりました。

話題提供者の方同士でも名刺交換や意見交換をしながら交流する場面もあり、こうした機会が、それぞれの活動の広がりや、各活動の連携につながればと期待されます。

参加者の声

  • とても有意義な機会でした。さまざまな活動があると知れて良かったです。
  • スポーツに様々な部門があることがわかりました。
  • ボッチャなどのユニバーサルスポーツを自施設内ではなく地域のいろいろな場所で行いたいとより思いました。
  • 環境とつながりと運動の話は参考になりました。
  • 私は現在大学でまちづくり・コミュニティを学んでいますが、実際に地域のイベント主体様のお話を聞く機会がとても新鮮な体験でした。
  • 千代田区に住む区民に有意義なイベントがあることを知らない人が多いと思うので、団体が共同した広報の仕方が必要だと感じました。なので、このような会は大事だと思いました。
  • 皆様の色々な活動、取組をされていることを知りました。このようなイベント、活動はどこを見ると解るのか知りたいです。
  •  今後、いろいろな団体が交流して、この先のコラボを考えられる場があるといいと思います。
  • 本日の運動というテーマは良かったです