【レポート】他団体とのコラボ・協働イベントを考える会②

2025年7月11日、千代田区内で活動する多様な団体が集まり、「他団体とのコラボ・協働イベントを考える会」が開催されました。
この会の目的は、団体同士の強みを活かした連携の可能性を探り、協働を進めるプロセスで必要なことを共有することです。
当日は、町会、地域活動団体、企業、大学・高校、大学生、NPOなど、約17名が参加しました。

前半は自己紹介を通じて各団体の活動や課題、既存の連携事例を共有し、後半は「子ども向けイベント」「子育て世代向けのイベント」「防災活動」「キャリア教育」など、今後の可能性がある協働テーマについて意見交換を行いました。

参加者の取組み・協働の取組紹介

○町会活動 × 地域活動団体
ちよダンやはだしのSoalちよだなどの地域団体が、富士見一丁目町会・富士見二丁目町会・飯田町町会共催の「子ども祭」(6/28)に、ワークショップやダンスプログラムを主宰する形で参加。

連携・協働のポイント:
イベントを中心的に企画・運営する富士見二丁目町会の鏑木会長は、協力団体と町会役員の橋渡し役を担っています。会長自身はちよラボの交流会などで団体メンバーと顔見知りですが、町会役員は初対面のため、両者の関係が円滑になるようコミュニケーションに配慮しています。

参加者の声:
打ち上げにも参加させてもらい、自分の地元のご近所づきあいを懐かしく思い出しました。まちのつながりってこういうことだと改めて実感しました。

○千代田区障害者福祉センターえみふる × 地域団体・大学
今年度の納涼祭に、ちよラボでつながった団体が参加。また、ちよだんごカフェが地域イベントに声をかけてもらう機会も増えています。さらに、明治大学と協働で養蜂プロジェクトにも取り組んでいます。

連携・協働のポイント:
声かけの際は「これをやったら面白そう」「これなら新しい人も来てくれるかも」という視点で提案。納涼祭は申し込み不要など運営面が簡易なため、参加のハードルが低いこともポイントです。

○上智大学インカレサークル「シャクル」 × 正則学園
5月の「協働を考える会」で出会った正則学園の先生とつながり、サッカーをテーマに課題解決型の学びを提供するコラボを企画中。地域の小中学生との交流も視野に入れています。

○はだしのSoalちよだ × 学童 × ちよだスプラッシュ × まちづくり
ウォーカブルなまちづくり事業に採択され、ちよだスプラッシュと協働でワラーチを使った水鉄砲イベントを実施予定。学童(2団体)とも連携し、「逃走中」を取り入れたルールで実施します。学童からの依頼は意外でしたが、子どもの健康促進が目的とのことです。

○日比谷公園 × はだしのSoalちよだ
日比谷公園のパークミーティングに区民として参加。公園内でワラーチを作り、公園を歩くイベントを計画中。

○食育ボランティアグループ「ぴーち」(大妻女子大学) × 地元企業
番町のアパレル企業と連動し、デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)に取り組み中。また、千代田区と連携し鹿肉レシピを開発し食堂で提供。老舗酒舗「豊島屋」とのイベントも予定しています。

今後、実施してみたい協働・連携の取組み

  •  消防団活動・神田旅籠町会:防災訓練、実績を積み重ねたので、実施のノウハウをもっている。企業に広げていきたい。そのためには平日開催する必要があり、日程の調整が課題と考えている。
  •  ちよダン:千代田区で誰もが知っている音楽で踊れるようにと、DVDも作成。まだ広がりは限定的。今後は他団体と連携し、千代田区内の各地域でPR活動を広げたい。
  •  ちよだ Weekend Artist Caravan:アートフェスを千代田で実施したい。自身は、電気資材アクセサリー作りのワークショップ活動もしているので、STEAM教育やキャリア教育の一環として、学校や関連団体と連携したい。
  •  NPO法人シニア大楽:多くの千代田のシニアに参画いただけるような取組みをしたい。
  • 区内在住Mさん: 子どものペースを尊重しながら子育てすることをテーマに自身の活動を考えていきたい。(町会として若い親世代にリーチするテーマとして興味あるとの声も)

まとめ

今回の会では、参加者からの活動紹介で、団体同士や、町会と団体のような形で、色々な連携や協働がされていることがわかりました。また、協働を進める際のポイントも共有されました。

【主な意見】

  • 地元のイベントや活動にはなるべく足を運んで、相手の活動をきちんと知ることに務めている。郷に入ったら郷に従えではないが、まずは顔見知りになってご縁をつくることを、大切にするようにしている。
  •  「この団体と組めば面白いことができる」という視点を持ち、さらに団体同士をつなぐ役割も意識している。
  •  団体同士が安心して協働できるよう、間に立つ人がコミュニケーションや工夫をしている
  •  顔見知りになっておくと、具体的な連携とならなくても、自分の活動で困った時に手伝ってもらえたり、フォローしてもらえるようになる。そういう関係づくりが大事ではないか。

また、今後の連携についてもどの団体の方も前向きに捉え、取り組みたい、広げたいという意向があることもわかりました。

それぞれの活動にはそれぞれの目的や活動スタイルがあります。多様な主体と連携する時には、自団体の都合で進めるのではなく、目標の共有や時間、相互の団体に所属するメンバーとの関係など、細かい調整や工夫が必要なことが確認されました。また、協働や連携を進めるためには、顔の見える関係づくりが重要であることも再確認でき、本日のような直接顔を会わせて、知り合う機会が大切と言った声もありました。

こうした知見は、千代田区のコミュニティづくりにおいても重要な資源となります。ちよだコミュニティラボでは、これらの情報を整理し、みなさんへお届けしていきます。