【レポート】気になる地元のカフェに行ってみよう!「きのこカフェ」@麹町
ちよだ文化祭の開催された気になるけど、なかなか行く機会がないカフェに訪問しようという企画「気になる地元のカフェに行ってみよう!」。
その第2弾は、東京メトロ半蔵門駅すぐにある「きのこカフェ」を訪問。この日は特別に、職場体験実習を行っている中学生も一緒にスタッフの柴山さんのお話をお聞きしました。
誰でも立ち寄れる地域に開かれた認知症カフェ
「きのこカフェ」は、認知症の方やその家族、地域住民が気軽に集まり、交流できる“認知症カフェ”の機能を持ちながら、誰でも利用できるカフェとしても開放されています。
平日は午後2時から4時、土祝日は午前11時から午後4時まで営業しており、店内では全国の福祉作業所で作られた食品や雑貨の販売もされています。
スタッフの柴山さんは、「きのこカフェはどんなことでも安心して話せる場所。何を話しても大丈夫なところ。そんな場所でありたいと思っています。認知症カフェというコンセプトはありますが、それに縛られすぎず、いろいろな人が安心して混ざり合える場になればいいなと思っています。」とおっしゃいます。
また、地域とのつながりを大切にされており、全国各地から取り寄せた名産品の販売をしているのもその一つです。訪れるたびに、思わず手に取ってみたくなる新たな発見があり、それらの商品を買いに、地域の人もよく立ち寄るそうです。ポップコーンなどを子どもたちが買いに来ることも。
きのこカフェの担っていることは?
「きのこカフェ」の最大の特徴は、日曜日以外は、運営されており、誰でもいつでも来てくださいというスタイルになっていること。認知症カフェの多くは月に1~2回開催するという形式が多いそうですが、認知症の方は新しいことを覚えることが苦手になる方が多いため、不定期の開催だと来たいときにこれなくなってしまうのを懸念されて、いつでも一人で来れるようにと常設にされているそうです。
また、誰でも立ち寄れるということで、例えば、物産を買いに来たついでにお話をすることで、悩みをお話できるきっかけになればということもあり、間口を広く皆さんに来ていただくことを心がけてらっしゃいます。介護スタッフも常駐しているので、介護の相談も気軽にできるようになっています。また、認知症や介護に関する情報も得られるように関連資料や書籍などもカフェの奥に準備されています。
最近は土曜日と祝日にはきのこ酒場というのもされており、全国から取り寄せたお酒やビールなども飲めるようにして、少しでも多くの人が立ち寄りやすいような工夫もされています。
お客さんからは、「ここに来るとホッとする」「家族の相談ができて気持ちが楽になる」という声も多く寄せられています。
多世代が関われる場所に
商品を買いに来るだけでなく、子どもからお年寄りまで幅広い世代が参加できるような工夫をされています。地域の小学生がカフェで行われるイベントに参加したり、中学生が職場体験を行ったりする機会もあります。
また、過去にはカフェを訪れた赤ちゃん連れのママがきのこカフェで、マナー講座などを実施されたり、コーヒー好きのジロール麹町の入居者の方が自分でカフェマスターとなりコーヒーを入れるイベントを開催するなど、それぞれの思いを実現する場所としても、活用されています。
こうした中で「つながりを持つことで元気をもらえることの大切さ」もお感じになっているそうです。
柴山さんの思い
柴山さんは、「認知症の方が社会から切り離されるのではなく、その人らしく生きることを支援したい」と、「認知症になっても心は生きている」「最期までその人らしく」を大切にしたいと考えています。
「共生社会」と言われていますが、認知症の人はお世話の対象ではなく、一緒に地域で暮らす隣人と捉えることが大切で、身近にも認知症の方も普通に生活している方も多くいらっしゃる中で、どんな人も自分らしくみんなが暮らしていけるような社会になっていけばとお考えです。
職業体験した中学生も、職業体験の中で、認知症の高齢者の方と接して、これまでの認知症の方のイメージとは異なったようです。
ちなみに、2023年9月の広報千代田は認知症の特集で、柴山さんが映っている写真には、若年性の認知症の方も一緒に映っています。このように堂々と顔を出していけるような社会になっていくことが大事なのではと柴山さんはおっしゃいます。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/28912/no1599.pdf
そのために、認知症という言葉に対するネガティブな印象を変え、認知症の正しい理解を広げたいと、講座や勉強会の開催や情報提供などにも努めてらっしゃいます。
柴山さんからのメッセージ
「認知症になっても、人として尊重される社会を作りたい。そのために、このカフェが一歩になることを願っています」と語る柴山さん。
今後は、カフェのスペースを活用した多世代交流イベントや、地域の学生とのコラボレーションも視野に入れ、より多くの人々にとって身近な存在となることを目指しています。
最後に、柴山さんからメッセージをいただきました。
認知症カフェというと、どうしても利用者の方が限定されるイメージがありますが、きのこカフェは地域全体の交流の場として、誰でも気軽に立ち寄れる場所でありたいと思っています。ぜひ、カフェに足を運んでいただき、地域のつながりを感じてください。
■参考
- 所在地: 東京都千代田区麹町1-2-3 ジロール麹町ビル1F
- 営業時間: 平日 14:00–16:00 / 土祝 11:00–16:00
- アクセス: 地下鉄半蔵門線 半蔵門駅 徒歩0分
- きのこカフェ紹介サイト(千代田区ホームページ)
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kenko/koresha/ninchisho/cafe.html