公開 2020年7月7日
更新 2020年7月23日
新型コロナウィルスの影響は長期間に及ぶと考えられており、地域での交流活動は感染症対策を考えながら取り組んでいく必要があります。
ちよだコミュニティラボでは、区内で活動する団体の方と4月、5月にオンライン交流会を開催しました。そこでは、「地域での交流を守っていくために活動を続けたいが、どのように対応するか迷ってい」るという声が多数ありました。そこで6月20日・24日に開催した交流会「2020年の交流活動の行い方」では、これまで出された意見と、東京都や専門機関の出しているガイドラインを参考に、今後、地域の活動を実施していく上で気を付けたいこと、行っている工夫を話し合いました。
その話し合いを基に、「新型コロナウイルス感染予防をながら地域の交流活動を考えるために」をまとめました。
地域での交流活動を感染症対策をしながら行う際に、何を考えたらいいか、何を参照にしたらいいか、ヒントとしてご活用いただければと考えています。
地域の交流を守り、広げていけるよう、みなさんで協力して取り組んでいきましょう。
活動のヒントとなる情報源
新型コロナウイルス感染予防しながらの
地域の交流活動を考えるために
2020年7月10日
ちよだコミュニティラボ
新型コロナウイルスの影響で活動の自粛、休止となった活動も多くあります。コミュニティのつながりを守るためにも、地域での活動の継続が望まれますが、感染症予防への配慮を十分に行うことが参加者の安心感にもつながるでしょう。
今回、緊急事態宣言も解除されましたが、第二波、第三波の到来も懸念されており、今後も新型コロナウイルスの影響は続くと専門家も指摘しています。長期化が懸念される中で、新型コロナウイルス感染拡大予防と社会活動の両立を目指す「新しい日常」を東京都も掲げています。その中で、どのように地域の交流活動を進めていけばいいか、厳しい感染症対策の負担から活動が停止してしまうことも、対策なしで万が一感染者が発症してしまうことも、どちらも避けたい中で、何が正解かわからない状況の中で考えていく必要があります。
このような状況で活動を進める際に、個々人の経験や感覚に頼らずに、感染症の専門家の知見に基づいて考えることが必要です。その際、行政機関や専門機関から出されている業種・分野毎のガイドラインは専門家の意見を踏まえて作成されているため、地域の活動でも参考にできるでしょう。一方で、ガイドラインも新型ウイルスの全てがわからない状況で作成されており、基準に違いがあることもありますし、個々の地域活動の現場にすべて当てはめることが難しい部分もあります。
そこで、専門家の知見が反映されたガイドラインを参考にしながら、自分たちの団体・活動として、どのように運営していくのがいいのか、自分たちで考える必要があるでしょう。その際、感染症予防や活動の進め方については、人によって価値観には違いがあることも踏まえて話し合い、団体としてのルールを定め、それを関わる人たちに共有することが大切です。また、参加・不参加も含めた個々の人の考え方を尊重し合う運営も大切になるでしょう。
その際、一番大切なのは、つながりを絶やさないことでしょう。活動の休止、再開、進め方が分断を生まない関係性が大切です。また、オンラインの交流など新しい進め方を取り入れることができないか、検討することも大切でしょう。
地域のつながりを守り、活動が継続できるような方法を、みなさんで協力しながら、考えて続けていきましょう。
1.これからの地域交流活動をめぐる論点
従来とは異なる環境の中で、地域交流活動をどのように運営していくのか、活動の運営メンバー、参加メンバーで下記のような点から話し合い、合意形成をしていくことが大切でしょう。
〇 この活動が必要な理由は?
「感染症対策など面倒なことするなら、活動を止めてしまえばいい」という考えもあります。
しかし、地域での交流活動には、参加者一人ひとりにとっても、地域にとっても大切な意味があります。その意味を改めて話し合い、共に困難に立ち向かう意欲を高めましょう。
〇 感染症対策のリスクとの向き合い方
新型コロナウイルスの難しさは、潜伏期間が長いこと、発症前や無症状の人も他者に感染させる危険性があることです。空気感染はしないと考えられていますが、飛沫が部屋の中を漂うことで感染したり、手に触れたものを通して感染したりする危険性も指摘されています。特に、年齢や基礎疾患の有無によって重症化の比率が違うことがわかっているため、人によって自分のリスクの受け止め方も違っています。ただし、ウイルスについての理解も、感染状況も変わる中で、対策のあり方や国などの指針も変わっていく可能性があります。地域活動を行う上で、新型コロナウイルスの特性について、信頼できる情報源を基によく知ることが大切でしょう。そして、自分も、関わる人も感染しないような対策を取り入れることを話し合うことが大切でしょう。
〇 対面活動の行い方、範囲を考えましょう
新型コロナウイルスの感染リスクに対する考え方が違うと、望ましいと考える対面活動の内容や進め方も人によって異なります。また、人と人の距離を空けようとすると、会議室に入る人数が限られるなど、従来通りの活動がうまくできない場合もあります。交流の場には飲食は大切な要素ですが、共に飲食することの懸念も指摘されています。
対面での交流活動が、なぜ、どのように大切か、話し合った上で、どの部分を対面交流活動とするのか、そこで外せない要素は何か、なるべく多様な参加方法は取れないか、電話、オンライン交流でできる活動はないか、活動全体を見直す機会とすることも大切でしょう。
2.感染症対策においての論点
新型コロナウイルスの感染症対策について、何を重点において話し合う必要があるか、各種ガイドラインを基に考えていく必要があります。
厚生労働省のホームページでは、イベントの開催について、
・ 入退場時の制限や誘導
・ 待合場所等における密集の回避
・ 手指の消毒
・ マスクの着用
・ 室内の換気
等の、適切な感染防止策を講じた上で、一定の収容率や人数を目安とし、開催することも可能です。
としています。これらの項目を前提に、次頁以降の内容も踏まえて考えてみましょう。
3.活動運営のポイント
- 一人一人考え方も状況も違うため、代表者やリーダーが一人で決めて従うように通達するのではなく、メンバーで話し合い、活動の内容や運営方法、具体的な進め方などを定めていき、協力して運営することが大切でしょう。
- いつもの活動と異なる状況での運営は、作業面でも気持ち面でも負担が大きくなります。また、慣れないことでは、すべてうまくいくことは難しいでしょう。共に試行錯誤しながら進める気持ちで、協力して取り組むことが大切でしょう。
- 実施してみて気づいた課題、状況の変化も踏まえて、定期的に活動や進め方を見直しましょう
新しい日常の中で地域の活動実施を考えるポイント
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、活動をどう続けるか話し合う際のポイントをまとめました。
項目の左欄には、参考になる資料( ()内は後記の参考資料のガイドラインの番号 )、考える際のヒントを掲載しました。
1.活動の目的、実施法の基本的な考え方について |
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2.感染症対策を踏まえた活動内容について |
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3.会場について |
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4.参加メンバーについて |
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5.参加のルール |
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6.衛生管理について |
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7.運営について |
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8.屋外での活動について |
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9.オンラインの活動について |
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10.その他 |
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<参考としたガイドラインなど>
(1)3つの密を避けるための手引き(厚生労働省)
(2)通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド第1版 東京都健康長寿医療センター研究所 令和2年5月27日
(3)公民館における新型コロナウイルス 感染拡大予防 ガイドライン 令和2年5月14日
(一部改訂令和2年5月 25 日) 公益社団 法人 全国公民館連合会
(4)東京都感染拡大防止ガイドライン(「新しい日常の定着」に向けて)令和2年5月27日 東京都
(5)新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ~「新しい日常」が定着した社会の構築に向けて~ 第3版 東京都
(6)安全に運動・スポーツするポイントは? 令和2年5月22日 スポーツ庁
(7)スポーツイベントの再開に向けた感染拡大予防ガイドライン 令和2年5月14日 公益財団法人日本スポーツ協会/公益財団法人日本障がい者スポーツ協会
(8)【5/25更新版】スポーツ活動再開時の新型コロナウイルス感染症対策と熱中症予防について 令和2年5月25日 公益財団法人日本スポーツ協会
(9)厚生労働省 HP 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)