【レポート】気になる地元カフェに行ってみよう!「ちよだんごカフェ」@平河町
半蔵門の駅からほど近い場所にある「ちよだんごカフェ」は、2024年4月19日に オープンしたカフェです。
こちらのカフェは、千代田区立障害者福祉センターえみふるが運営していますが、地域の人にも気軽に立ち寄ってもらえ、居場所となるようなカフェを目指しています。
名前にもある「お団子」が目玉商品ですが、それ以外にも豊富な種類のお茶に加え、コーヒーや紅茶などのカフェメニュー、センター特製の千代田区産はちみつの販売もしています。
また、地域の活動団体へのスペースの貸し出しなども行っており、地域の人や活動をしている人たちの交流の場として、また、ボッチャ体験会などのイベントも開催しています。
今回、お話を伺ったのは、千代田区立障碍者福祉センターえみふるの堀田徹さんと、ちよだんごカフェ店長の重田さん。お二人とも熱い思いをお持ちで、地域との繋がりを求めて、日々活動されています。
■堀田さんの思い
えみふるは、千代田区の障害者福祉センターとして「相談支援」「居住支援」「通所支援」「地域貢献」を担っていますが、堀田さんはその中でも地域貢献の領域のご担当です。
地域の担当として、もっと地域に出て行って地域の人と知り合いになりつながりを作っていく必要があるとお考えで、ちよだコミュニティラボの取り組みにも積極的にご参加いただいています。
えみふるは障害者福祉センターではありますが、区内の障害をお持ちの方で、実際にサービスをご利用になっている人はごく一部の方とのことで、多くの障害者の方は、普通にまちの中で暮らしていらっしゃるということ。まずはそのことを知ってもらいたいというのが堀田さんの思いです。
「何かお手伝いできることはありますか」と問合せもあるそうですが、区民の人には、障害者の方は自分たちが助ける対象ではなく、一緒にまちに暮らす友達だと思ってもらいたいたい、そして、そのための環境づくりをしていくのがえみふるの役割である考えています。
その一つととして、何かを一緒に活動をすることで自然と友達として受け入れられるようになってもらいたいということから、一般の人も参加できる公開講座を積極的に実施されています。
堀田さんの地域への積極的な働きかけもあり、公開講座のプログラムも色々な地域の方の協力を得て、この数年でずっと多彩になってきています。また、夏に開催する納涼祭も盛況で、これまであまりえみふるに来訪する機会のなかったお子さんも多く参加するようになったとのことです。
一方で、このように地域に開いた活動をすることで、障害手帳を持っていてもサービスを利用されていない方にも、えみふるがあるということを知るきっかけにもなればともお考えです。
今後も、何か良いご縁があれば、色々な方と連携して、新しい公開講座やイベントにチャレンジされたいそうです。
■重田さんの「ちよだんごカフェへの思い」
ちよだんごカフェは、地域の人の交流の場として活用してもらいたいという思いはもちろんのありますが、そもそもは、引きこもりや潜在的な困難を抱える方が、社会とつながるための第一歩を踏み出す場所になればということで始められました。
区内には、引きこもりの方に対する相談する場や支援する施設があまりないというのが実情です。
このカフェの特徴は、「就労体験」や「就労参加」という柔軟なアプローチを採用している点です。たとえば、「通勤の15分だけでも賃金が発生する」といった形で、働くことへのハードルを下げています。これは、「いきなり本格的な就労支援ではなく、もっと気軽に試せる場所を提供したい」という思いから生まれたものです。
引きこもりの方々の中には、「何かを始めたい」と思っていても、どこから手をつければ良いのかわからない方が多くいます。また、調子に波のあることもあります。そうした方が「その気になった瞬間」にすぐアプローチできるよう、いつでも来て何かできる場所として、受け入れができるようにしたいと考えています。カフェを開店したばかりなので、軌道に乗ったら本格的にそういった活動も始めるべく準備を進めています。
そのためにも、いつでも色々な人が気軽に立ち寄れる場所となることも大事ではないかと、様々にアイデアを練っていらっしゃいます。子どもたちのお小遣いで買えるような駄菓子を置いたり、中高生の子たちが勉強ができる場所として工夫はできないだろうかと検討中です。
また、もっと地域の方に交流の場としても使ってもらいたいともお考えです。ここから色々なつながりやコミュニティが生まれたり、そこからさらに新しいつながりができていったりと、そんな場になればと。
そのためにも、このカフェの利用の団体登録数も増やしたいとのことです。貸出料もとても安価で、地域の活動の打ち合わせやミニイベントなどに最適な場所です。
さらに、重田さんは元演劇部ということで、定期的な朗読や音読イベント、くまさん(重田さんの愛称)に会いに行こうイベントなど、気軽に皆さんに立ち寄っていだだけるようなミニイベントも企画中です。
最後に、堀田さんと重田さんにメッセージをいただきました
〈堀田さんから〉
「えみふるは障碍者福祉施設ですが、本当に障害者とかそういうことを意識せずに、交流し合える場ができるといいなと思ってます。ですので、ぜひえみふるに気軽に遊びに来てください。イベントなど、ぜひ参加していただけると嬉しいです」。
〈重田さんから〉
「店のコンセプトは、この店からコミュニティを創出して、そのコミュニティの輪を広げていく、というものであり、それがちよだんごカフェのあり方だと思っています。そのためには、今後も、情報発信と、リーチを広げるための取り組みを続けていきたいと思います。まずは、ぜひ、ちよだんごカフェにお立ち寄りください。」