【レポート】交流会「千代田でしてみたいこと会議@万世橋」

2024年に11月24日・26日に開催された「未来へつなぐ これからのコミュニティヒント展」では、展示に加え交流会も実施しました。

その一つとして11月26日に万世橋区民館にて交流会「千代田でしてみたいこと会議」を開催しました。

「千代田でしてみたいこと会議」は10月より定期的に開催されており、参加者それぞれが千代田でしてみたいことを持ち寄り、参加者の人と一緒にその実現方法について考えていくというものです。

今回は、藍を軸につながりづくりを作っている「神田藍の会」の活動をヒントにしながら、参加者で活動のアイデアについて意見交換をしました。

活動紹介

最初に、ゲストの峯岸由美子さん(神田藍の会)と関真弓さんから、藍の会についての活動紹介がありました。

都会の中での自然体験の一環として、藍に縁の深い神田で藍を育てる活動を始めてから、現在3年目を迎え、活動の輪が広がっています。藍の苗を配布して自分で育てることで植物や土に触れる機会を提供し、育った藍を使った生葉染めやワークショップ、染め物の販売なども行っています。企業の屋上やかがやきプラザのテラスなどさまざまな場所で栽培が進み、ご近所の方々が水やりに協力するといった、地域のつながりも生まれています。

会としては、月に1度の定例会を軸に運営しており、藍や花を育てることが好きなメンバーが集まり、育成の相談や失敗時の苗の提供、日当たりのよい場所での預かりなど、互いに助け合っています。こうした活動を通じて立ち話が生まれるなど、地域コミュニティのつながりが深まり、これまで関わりの少なかった福祉などの分野や企業とも、連携が生まれています。

藍の活動は、建物などハード面のまちづくりとは異なり、日常生活に根差したつながりづくりを促進するものになっているといえます。

また、IT企業が定例会等オンラインでの配信のサポートをするなど企業とのつながりもできています。

このように藍を通じた活動が、人々や地域を結びつける新たな形を提案しています。

参加者の中には、大学で藍染めの歴史を教えていらっしゃる方もいて、「そもそも藍の葉を見たこともない学生が多いので、座学だけではなく、学生たちに実際に体験をさせてあげたい。藍染めの歴史が現在にまでつながっていることを、実感させるにはよい活動だと思う」といった声が上がりました。
また、その他にも色々な意見やアイデアが挙げられました。

  • 引きこもりの子ども向けの支援の活動をしているが、大人のことを信用していない子供が多く、また、コミュニケーションをどうとるかが課題。藍の活動を通して信頼できる大人との出会いや、コミュニケーションに活かせるのではないかと思った。引きこもりの子どもは、自分で黙々と作業をするのが好きな子が多いので、藍の会の種取りの作業などは興味を持たれそう。
  • 子どもが夢中で楽しんでいたので、もっと保育園や小学校で広げられないか。
  • 旧今川中学ではブドウ園もある。敷地内には保育園もあるので、そこで藍を育てることで、そこの子どもたちにも、藍の飼育や藍染めを体験をさせてあげられるのではないか。
  • 神田祭の手ぬぐいがこちらの藍で染められたらいい。
  • 「わたぼうし」という喫茶店でワークショップを色々やっているので、藍染めワークショップもできるのではないか。
  • 藍の今の活動を文化として、言葉で想いを紡いでいくというような、文章で表現する方法もよいのでは?

<その他の方のしてみたいこと>

  • 引きこもりの経験をした高校生が、同じような状況の子をサポートしたいと言い出し、子供たち同士で助け合う活動を親子で始めたが、こうした活動を千代田でも広めたい。
  • SNSで誹謗中傷が多い社会を変えたい。ほめ活をしたい。(藍の会などで実際に体験した中で「いいね」と言い合うような活動はできないか)
  • 自分がワンオペの子育てに苦労したので、少しでもそうした方の気が楽になれるような活動をしてみたい。

会場からの感想、意見

今回、「千代田でしてみたいこと会議@万世橋」に参加した皆さんからは、「藍には人と人をつなぐ力があることを実感したので、今回の出会いをきっかけに、大学での新しい取り組みを考えたい」「千代田区でこれほど活発な活動が行われていることを初めて知り、イメージが変わった。藍のワークショップを取り入れて、中高生が集まれる場を千代田区にも作りたい」といった前向きな感想が寄せられました。

また、「初参加で緊張したものの、活動に携わる人々の話から多くを学び、自ら行動する大切さを再認識した」という声もありました。

最後に、ゲストの峯岸さんと関さんから、「藍の会では特定の指示は設けず、藍をきっかけに日常が楽しくなるアイテムとして各自の活動に活用してもらえることを目指しています。メンバーはフットワーク軽くさまざまな挑戦をしており、新しい取り組みが次々と生まれることを喜ばしく感じています。」「千代田区には他にも多くの活動を行う団体があり、これらがつながるきっかけとなることを願っています。」とお話があり、終了となりました。

峯岸さんによる神田藍の会の活動紹介は、YouTubeちよだコミュニティラボチャンネルから、ご覧いただけます。