災害に町はどう備えているの?

千代田区には防災に関する施策はあるものの、ビルも多いし災害のとき怖くない?いざという時、どうしたらいいの?

災害時に備えて地域ではどんな取り組みをしているのか、司町二丁目町会長の大井孝一さん(写真左)にお聴きしました。

(神田公園地区連合町会「神田住みこなしガイド」より)

[Q] 数年後には、東京でも大きな地震がくると言われています。区では災害に
備えた取り組みを重視していますが、実際に町ではどんなことをしているのです
か?
大井:神田公園地区では、小川広場や神田児童公園・スポーツセンターなどと年
に一度、防火防災訓練をしています。消火訓練、煙の中を逃げる訓練、起震車体験、AED応急救護訓練など、災害が起きた時に対応しなければならないことを、自分たちで日頃から体験するためです。

[Q]  防災訓練は、区が行なっているのですか?
大井:区の呼びかけで、神田公園地区の20町会が合同で行なっていて、参加者は
年々増えています。

[Q]  防災訓練などでは、区や消防署、警察などはどういう役割なのですか?
大井:訓練の様子を見守ったり、器具の使い方指導などが主です。訓練自体は、すべて町の人たちが主体になって行います。

[Q]  そのような公的機関との連携はどうやっているのですか?
大井:常日頃から、町会が窓口になって、警察や消防からの要請を受けたり、情報交換をしているので、防災訓練や有事の際にも連携することができるんです。

[Q]  なぜ区や消防ではなく、町の人たち主導で防災訓練をするのですか?
大井:本当に災害が起きた時には、区の職員は全体把握をしなくてはならない
ので、町で何かをしてくれるということはないと思っています。むしろ、区外に
住んでいる職員の方も多いので、もし夜間や朝方に災害が起きたら、出動要請が
あっても出勤できない可能性が高いんです。だからその時は自分たちでなんとか
しなくてはいけないのです。

[Q]  確かに!いざという時は、地域で対応しなければいけないのですね。避難
所が必要になった時はどうするのですか?
大井:避難所も地域ですべて運営しなければいけないので、年に一度、避難所設
置訓練をして、開設と運営の練習をしています。「避難所運営ゲーム」というものもあり、炊き出しや仮設トイレの配置、生活空間のレイアウトなどを具体的にゲーム感覚で避難所運営を学ぶということもしています。

[Q]  防災訓練のことをなかなか知る機会がないのですが、どうやったら参加で
きるのですか?
大井:町会で一世帯ごとに案内を配っています。防災訓練は住民や勤めている人
など誰でも参加できますよ。
[Q]  そうだったんですね!町の人たちが行う防災訓練に参加することの意義っ
てなんでしょうか?
大井:防災訓練に参加することで、周りに住んでいる人同士が顔見知りになれる
というのは大切なことだと思います。もし自宅に住めなくなって、避難所で何日
か生活することになった時に、顔見知りがいれば少しは気が楽だよね。