【ゼミ 第8回:レポート】マンション住民の交流の場を企画しよう

「マンション・コミュニティ・ゼミ」の第8回が2017年10月18日(水)19:00~、千代田区役所内の会議室にて開催されました。

今回のテーマは「マンション住民の交流の場を企画しよう」。

前回の話し合いの内容を受けて、ゼミ生それぞれのイベントアイデアについて具体的な話を進めました。都合があわず欠席した方たちとは、別途補講で話し合いを進めました。その内容も併せてご紹介します。

■対話「イベント実施について」

最初に、前回までに出てきたゼミ生のイベント・アイデアについて「どのようなつながりを生み出す?」「足りない経験は?」「変化を起こすには?」の各項目に沿って内容を整理しました。

◯イベント・アイデア①街で支え合う子育て @外神田

▼どのようなつながりを生み出す?
外神田地区で、就学前の子どもを持つ子育て世帯同士が知り合う
(ファミリーサポートなど地域住民によるサポートをしてもいいと考えている人たちと子育て世帯が出会う機会がない。)

▼足りない体験は?
地域の親同士がつながることで助け合えることがある、地域には助けようとしている人たちがいることに気付く機会

▼変化を起こすには?
地域の子育て支援について情報交換し、お互いの課題を共有する経験から、地域のネットワークがあると、自分にとってもメリットがあることに気付く
地域のシニア世代らが、子育て世帯がどんな支援をしているかリアルに知ることができる。実際にしている人の話からイメージを持てる。

◯イベント・アイデア②まち歩きを通しての交流 @四番町

▼どのようなつながりを生み出す?
四番町のマンションに住んでいても地域との接点がない人が、町会の担い手たちと顔見知りになり、地域や町会に関心を持ってもらえたり、イベントで出会った時に挨拶ができる関係をつくる。

▼足りない体験は?
利便性や居室の良さから住居を選んでいる人は、地域に関心や愛着を持つ機会がない
町会の人たちと話したこともないので、町会に参加しづらい。イベントに参加しても地域に知り合いがいないので話をしない。

▼変化を起こすには?
四番町や番町の歴史などについて大学、専門家の人たちからの話を聞くなど参加しやすいイベントで地域に関心を持つ イベントの中で参加者同士が交流する時間を持つことで、顔見知りを増やす。

◯イベント・アイデア③“次の仕事” ネットワーク @富士見

▼どのようなつながりを生み出す?
会社退職前後の人が自分の次のキャリアを考える時、退職後→地域ボランティア以外に、自分の経験を活かした仕事(ある程度の報酬のある)に就きたいが、一人で考えても難しいので、仲間がほしい。(近くに住む同世代の人は価値観なども似ている可能性も高い)

▼足りない体験は?
近所の人で仕事やキャリアについて話す機会はない。近すぎる人に、自分のプライベートを話すと面倒もあるかも。

▼変化を起こすには?
会社退職前後の人、フリーランスで働く人たちが、自宅の近所に仲間ができると、気楽に集まれたり、相談できたり、一緒に飲んだりしやすい。会社員も退職後の仕事を見つけやすくなる。

◯イベント・アイデア④街コン・イベント @麹町

▼どのようなつながりを生み出す?
千代田区に暮らす30代、40代には単身者も多い。仕事以外の場で出会う機会が意外にない。「千代田区を住む場所として選ぶ」ということで出会いの質が高まる可能性がある。

▼足りない体験は?
自分の価値観と会う人に出会う機会。近所にそのような人がいても気づかない。

▼変化を起こすには?
「千代田区麹町に暮らす」をキーワードに、地域の店などを訪問し、出会う機会を広げる。

◯イベント・アイデア⑤マンションの高齢期の暮らしを考える @番町

▼どのようなつながりを生み出す?
タワーマンションの高齢世帯の暮らし、特に一人暮らしは、孤立や災害時の対応など、独特の多様な課題がある。しかし、プライベートが守られるマンションでは、マンション内の助け合いができにくいため、困った時に頼れる関係性をつくることが必要。

▼足りない体験は?
マンション暮らしは元気な時に入居し、自立していることが前提だが、時間と共に高齢化していったり、困難な状況が生じることに、本人も周囲の人も気付きにくい。

▼変化を起こすには?
タワーマンションで、関係がないままシニア世代が暮らすことの課題を知り、他のマンションの人たちと話し合いながら、自分のマンションで何が必要なのか考える。

■ワーク「チーム別相談」

イベントの企画がまとまってきたことを踏まえて、参加者同士で、それぞれの経験を踏まえての意見交換し、企画の具体化を進めていきました。

「イベント・アイデア①」については、ただ交流しようとしても集まらないのではないか。生活の中で何を必要としているのだろう?という話から、「外神田地区で小さいお子さんと一緒でも使いやすい(対応済のトイレ/授乳・オムツ替えスペースなど)、集まりやすい(集団でお子さんを見守れる)施設や店、スペースについてマップづくり」をする目的を追加しようという話になりました。
また、子育てと言っても対象者が広いので、未就学のお子さんがいらっしゃる方に限定する形になりました。「アーツ千代田 3331」などで一緒に遊べるお子さん/親友達募集を告知の手段として利用することも検討されることになりました。

「イベント・アイデア②」については、具体的なゴールや成果物が見えた方が参加しやすい。2011年に作った四番町の防災と歴史の情報誌を新しい住民の方に参加しただいてアップデートするという話になりました。

「イベント・アイデア③」については、退職したらどんな暮らし方がいいのだろう?と考え、仕事、趣味、社会貢献の3つのバランスがいいライフスタイルが望ましいという話になり、その実現に向けて話し合う王な機会があったらいいのでは?という話に展開しました。

「イベント・アイデア④」については、30代、40代の独身者は増えているが、地域や他の人との接点を持ちづらい。仕事も忙しいし、区内のお勧めのスポットにも行ったことはないのでは?という話になりました。

「イベント・アイデア⑤」については、地域の福祉に取り組む方を交えて検討することになりました。まずは、問題意識を共有する会を開催する形で進めていく予定です。
他に、高齢期になって初めてマンションに住む方向けの勉強会も開催すると良いかもしれないという案が出ました。

次回、第9回は11/15(水)に開催。
イベント企画を発表して頂き、広報などの準備について個別ミーティングを行います。

以上で、第8回「マンション住民の交流の場を企画しよう」のレポートは終わります。