【レポート】他の活動との相互理解を深め、協働でアウトリーチを広げよう~地域の活動を連携して取組むには(アーバニスト・ミーティング)
2023年11月6日、第3回目となる「アーバニスト・ミーティング」を開催しました。今回のテーマは、「他の活動との相互理解を深め、協働でアウトリーチを広げよう~地域の活動を連携して取組むには」です。
千代田区立障害者福祉センターえみふるの堀田さん、一般社団法人エスコートダンス協会の野口さんの「合同体験会」の開催経験や、実施してみたからこそ感じる「連携・協力」の意義などについてお話を頂き、そのお話を基に、千代田での活動する人の連携や協力についての考えていくことが目的です。堀田さんと野口さんは、昨年度から、大妻女子大学の食育ボランティアグループ「ぴーち」、上智大学ウォーキングサッカーサークル「シャクル」と一緒に、合同の活動体験会を開催してきています。
当日は、会場、オンラインを含め16人の参加がありました。
挨拶
はじめに、コミュニティ総務課の千賀課長から「今回で3回目になるアーバニストミーティングは、これまでに引き続き地域活動コミュニティに関する色々な情報交換の機会にしたい、そして、今日の3名のお話から、また何か次に繋がるものが得られれば嬉しい」と挨拶がありました。
課長挨拶
合同体験会についての経験のシェア
合同体験会の取組み紹介
まずは、今回の話題提供者である、千代田区立障害者福祉センターえみふる堀田さんより、取組みについてのご紹介がありました。
合同体験会について
<経緯>
- それぞれの団体が志を持って活動をしているが、自分のテリトリーの参加者以外の人へどうやって広げていくかという課題があった。
- 合同で体験会をすることで、それぞれの団体の参加者の人に、相互の活動についても知ってもらえる機会になるのではないかということから始まった。
- 大妻女子大学において体育館を提供頂けることとなり、具体化していった。
- 2022年度は、ちよだコミュニティラボのアーバニスト@千代田の取組みとして行ったが、2023年度からは、2022年参加の4団体を中心とした実行委員会を立ち上げ取り組んだ。
<参加団体>
・大妻女子大学の食育ボランティアグループ「ぴーち」
エコクラフトの体験や食育に関する講座など
・千代田区立障害者福祉センターえみふる ボッチャの体験
・一般社団法人エスコートダンス協会 エスコートダンスの体験
・上智大学ウォーキングサッカーサークル「シャクル」 ウォーキングサッカーの体験
※2023年度は、太極拳、朗読のグループも参加
<これまでの活動実績>
「一緒に楽しむ合同体験会」
・2022年度(1月29日、3月4日)
https://urbanist-chiyoda.net/4173/
・2023年度(8月12日)
https://urbanist-chiyoda.net/4517/
※大妻女子大学地域連携推進センターが開催する、「夏休み小学生講座」から共同開催の提案をいただき、共同開催となった。
第3回(2023年8月開催)のプログラム
また、堀田さんからは、これまでの3回において、大妻女子大学の堀口先生の尽力により、体育館という運動のできる場所の提供があったことへの感謝と、体験会開催において場所の確保も重要である旨がお話されました。
さらに、昨年度は、初めてということもあり、運営においてちよラボのサポートがあることが大きかったが、今年度は、R4年度の事業実施4団体が主体となり「アーバニスト@千代田 合同体験会実行委員会」を結成し取り組んだことなども紹介されました。具体的には、LINEグループでの連絡や、オンラインでのミーティング等行いながら企画を検討したこと、チラシの作成や、参加者の受付フォームの作成、アンケート作成等においてそれぞれの役割を担いながら取り組んだことが紹介されました。
意見交換
合同体験会の開催について堀田さん、野口さん、堀口先生のお話を聞いて、会場のみなさんで意見交換を行いました。
主な感想・意見
- 他団体との連携が上手くいかなくて企画を断念したことがあったが、一人でやりたいと思ってもできないことも多いので、やはり連携は大事だと思う。
- 合同体験会は体を動かすところが主だったようだが、他にも食育など、食を通じて皆さんと連携した活動ができれば嬉しい。
- 同体験会に参加した際、親子の参加が多かったのに驚いた。0歳〜2歳までの小さい子ども向けのイベントもぜひやってほしい。
- 地域の人と連携しようとするには、その地域のイベントに出て、人となりを知ってもらうところから始めた方が良いかもしれない。
- いろいろな方と連携する時には、うまくいかなくて当たり前ということもあるだろう。何回失敗しても1回成功したら、それで十分価値がある。出会えただけで、出会わなかったよりも良い。
- 発達障害の子どもたちの活動への理解を広げるために、地域のイベントに協力することもある。本来の目的に合致した活動だけでなく、いろいろな人たちと区内で繋がっていくことで、必要としている人のもとに情報が届くのではと考える
ちよだコミュニティラボライブ2024についての意見交換
アーバニスト・ミーティングの後半は、例年3月に開催の区内で活動をする多様な人や地域の活動に関心のある人が集まる「ちよだコミュニティラボライブ」についての意見交換を行いました。
ちよだコミュニティラボライブは、区内の活動している人同士が知り合う機会、連携や協力を促進する機会として開催していますが、今回のアーバニスト・ミーティングのテーマである「連携・協力を広げるには」という視点から、どんな場であればよいかといった点についての意見を挙げていきました。
主な感想・意見
- 今までは活動を紹介するものであったが、それぞれの活動を体験する時間が少しでもあれば、相互の理解が深まり、そこからつながりが生まれそうである。
- もっとオープンな文化祭のように、それぞれの団体が自由にやりたいことができる機会になればよいのではないか。
- 活動をしている人こそ、他の団体の活動の体験をするとよいと思っている。体験をしておくと協力のお願いをしたり、逆に自分が協力することもしやすくなる。体験は、そのチャンスとなると思う。
- 子どもたちが主体的に参加できるようなイベントを大人がサポートするというやり方もよいのではないか。
- ラボライブをきっかけに、今日のイベントも参加できているので、出会いの場としてこれからも続けてほしい。
- 自分の得意分野のITで子どもたちに伝えることができれば。
- 保育園の自分たちができるのは、お母さんお父さんのサポートなので、そうしたテーマの講座を開いてお話をしたりできる
- ブースを出店すると、ブースの当番の人は動けずに他との交流がなかなかできないので、午前と午後の部で分けるなど、工夫がと必要と感じる
- 「千代田とお仕事」という切り口で、それぞれの人が、ピッチ形式みたいに自分のお仕事をについて短くプレゼンしていくと知識の共有になるかもしれない。
- 子ども向けのことをみんなで持ち寄って企画するコーナーがあれば、一緒に準備する他の団体と知り合ったり、来た人に他にやっている活動も知ってもらうきっかけになる
- ラボライブ内で、いろいろなイベントに参加していくとポイントが貯まるスタンプラリーのような企画も面白いのではないか。
- 千代田区役所内の図書館や、千代田区観光協会にも、まちづくりという意味でキーになる場所なので、参加してもらえると縁が広がると思う。
- やってみたい活動があるが、ゼロからやるには集客が心配なので、ラボライブのような機会で一度試せる機会があると、いろいろな接点ができるかもしれない。
参加者の声(ふりかえり・アンケートより)
最後に、今回のアーバニスト・ミーティングに参加してのふりかえりを共有しました。ふりかえりでは
- 自分たちの活動の認知を広げるためにも、色々な人と関わりたいと思っている。できることで協力しながらつながりを作って行きたい。
- アーバニスト・ミーティングでは、他の活動をしている人の考え方を聞けるのがよい。同じような人ばかりだと広がりもでないので、出会っていくことが大事だ。また、地域の活動のようなボランティアは義務ではなく楽しくやることで続けていけると思う。
- 色々な場に参加することで、連携を広げられるし、行政機関などの地域のリソースも知ることができる。出会う機会が大事だと改めて思った。
と言った意見が挙がりました。
また、最後に、ゲストのお二人から
- 合同体験会を色々な人に広げたいと思っているので、ぜひ参加してもらいたい。また、えみふるでは、公開講座などを実施しているがそれに協力してもらえる団体を探している。ラボライブがまたそのような出会いの機会となることを期待している
- ちよだのまちに関わる人が、まちで活動する仲間のことを知り、他の人へもそれぞれの活動を紹介し合えるような関係になったらいいと思っている。ちよラボの舞台を使って色々なことができると思っているので、もっと多くの団体の人とつながっていきたい。
というメッセージで会は終了となりました。
アンケートより
- 各世代、多業種といった異なる人が集う場は楽しめて新しい出会いとなり機会になるのだと気づけました。
- 千代田区の課題が「子供」に偏っているように感じた。もっと広い世代の課題への対応が知りたいと思った。
- 体験会の話が聞けたことと、千代田ラボライブが本当にオープンな環境で作られていくことを実感しました。
- 人を集めるって簡単ではないんだな、という当たり前のことを改めて感じました。
- 連携するためには、どのような団体なのか、どんな活動をしているのか、どんな人が関わっているのかを知ることからだと思います。まずは、アーバニスト・ミーティングのような場に行くことがとても大事だとあらためて感じました。
- やはり「出会う」「知る」ということだと思いました。誰かの又聞きではなくて、自分で実際に出向いて、出会って、噂じゃなくて、本人にお会いする、活動を体験してみることが大切であって、今回参加させていただきました、「合同体験会」は、色々な団体さんに参加していただき、活動の輪が大きくなっていくのではないかと確信しました!