【レポート】 アーバニスト@千代田 アクション報告② 千代田での丁寧な暮らしを話そうワークショップ

区民のアイデアによる新しい活動が1月より始まっています。

2023年1月28日に、ワークショップ「”千代田での丁寧な暮らし”を話そう」を神保町にある書店PASSAGEのスペースにて開催しました。在住の方を中心に9人の参加がありました。本ワークショップは、千代田での『丁寧な暮らし』について多様な角度から探求していく「”千代田での丁寧な暮らし”を話そう」の第1回目として開催されました。

本プロジェクトは、効率であること、便利であることが優先される都会の中で、一見相反するように見える「丁寧な暮らし」とは何かを地域の人と考えたいという在住の黛さんのアイデアを発端に始まったプロジェクトです。「丁寧な暮らし」について改めて参加者同士で一緒に考えることを通じて、個人の生活を豊かにしたり、また、丁寧な暮らしをキーワードに新しいつながりをつくっていくことを目的としています。
プロジェクト紹介:https://urbanist-chiyoda.net/1806/

第1回目のワークショップでは、「丁寧な暮らしと時間」をキーワードに「効率が重視され便利な世の中になって、その分自由な時間を手にしているはずなのに、残念ながらその実感はあまりありません。なぜなのでしょうか。」という問いを深めていきました。

冒頭、改めてプロジェクトメンバーのお二人から、なぜ、このプロジェクトに取り組むのか、また、自分たちがどう考えているのかを紹介しながら、参加者の方には、そもそもこの問いの発端となったサラ・バン・ブラナック「シンプルな豊かさ」から関連部分の引用も紹介されました。

この問いを話し合う前に、まずは、それぞれの生活の中での「暮らしの中で大切にしていること、こだわりをもってやっていることはなんですか?」について、紹介し合いました。
普段はあまり丁寧な暮らしについて考えたことないという人がほとんどでしたが、改めて考えてみると「子どもとの向き合い方は丁寧にしている」「丁寧な暮らしはリラクゼーション」「自分の五感を感じること」「一人のゆったりとした時間を大切にすること」「梅干をつけるなど手作りにこだわること」「朝、植物に水をやる時間を持つことでゆったりとした気持ちになる」「自分の生活だけでなく社会の子どもたちのことを考えること」など、参加者の方それぞれが考える「丁寧な暮らし」が挙げられました。

また、メインの対話のテーマである「効率が重視され便利な世の中になって、その分自由な時間を手にしているはずなのに、残念ながらその実感はあまりありません。なぜなのでしょうか」については

  •  デジタルツールは無意識に時間を消費してしまうのではないか。 プロ棋士が次の一手を考える5分とSNSを惰性でみて過ごしていしまった自分の2時間。時間に質の違いを感じる。
  •  SNS等を通じて、他人の生活ややっていることを見ていると、あれもこれもやらないといけないという気持ちになり、空いた時間にも詰め込んでしまい、「タスク」となってしまっている
  •  昔の人の方がもっとシンプルだったのだと思うが、今は、色々あるもの、できるものを捨てるのが難しい
  •  自分の時間を見つけると、周りの人にも優しくなれるのではないか。
  •  和時計は、針が回るのではなく、軸の周りを盤が回る。時間をそのように捉えたらいいのではないか。自分の中の大切なものを決めて、それ以外について固執しなければいいのではないか。

といった話が出されました。

今回、初めてこうしたワークショップに参加した方もいらっしゃいましたが、それぞれが「対話」を楽しんでいた様子がうかがえました。

ふりかえりの中で

  •  丁寧な暮らしについて話すこと自体がなかなかない中で、こういったものを共有できるのは素敵な取り組みだと思った。
  • 場の持っている力のようなものを感じる。ここに住んでいるのは私たちであり、コミュニティの可能性を感じた。
  • 丁寧な暮らしができていないとネガティブになるのではなく、自分が気持ちよい、心地よいと思い、ポジティブになることにつなげればいいのではないか。
  •  みなさんの話をきけてよかった。丁寧な暮らしを言葉にするのは難しいけど、自分が丁寧と思えばよいのだと思う。日々の中で考えたい。

と言った感想がありました。また、「こうした素敵な空間で丁寧な暮らしをシェアすること自体が一つの丁寧な暮らしでないか」といった意見もあり、さらに次回もぜひ参加したいという声もあり、今日のみなさんからの発言などをヒントに今後も開催していこうということになりました。

最後に、本プロジェクトのメンバーである、黛さんと道井さんより、

  • 丁寧な暮らしとは、自分の軸を持つことが大事と思った。真似をすることが丁寧ではない。自分が心地よいと思えばそれでよい。梅干を作らなくても、買ってきてもゆっくりとそれで朝食を食べることが丁寧な暮らしと自分が思えばそれでいいのだと改めて思った。今後のテーマとしては、便利なものと自然との共生など感性を広げたいと思う。
  •  今日ご縁があって集まれたことに感謝したい。それぞれの暮らし方、丁寧な暮らしがある。また、暮らしにに対するアプローチは色々あるので、今日の出会いから、みんなで今後も暮らしをキーワードにつながっていきたい。

という挨拶で終了となりました。

アクションを実践してみて

今回実践をしてみて、次回も参加したいという声も多く、また、千代田で実施する意義・可能性も見えてきたことより、今後、2023年5月以降に、年に4回、季節ごとの開催を目指すこととなりました。また、今回の参加者の方の中には、活動を一緒にしたいという声もあり、それぞれの方の興味や得意を活かしながらテーマ・企画を考えて広げていけたらと考えています。

参加者の声:

  • 皆さんのお話を聞いて、知らなかった事や興味深い話にとてもわくわくしました。参加者の皆さん話しやすく、難しい話もありましたがそんな切り口があったのかと知る事もできました。素敵な場所で話し合うのも新鮮で濃密な時間につながりました。また機会があればワークショップに参加したいです。
  •  日々の生活の中、このように、佇む時間を皆さんと共有出来るこの時間こそが、「丁寧な暮らし」だと感じました。
  •   大人になってから趣味嗜好を通じて友人知人を作るのは難しいので(わたしのように子どもがいない場合は特に)今回のような集まりで交友関係が広がるのは幸せことだなと思いました。
  •  日々漫然と暮らしているようで、実は丁寧に暮らしていることもあると気づけました

アクションをしてみて:

  • 丁寧な暮らしを考えること、それが丁寧な暮らし」という感想がこれからの活動のヒントのように感じました。丁寧な暮らし方を考え見つけ提案するとった目的のようなものは持たずに、ただただ丁寧な暮らしについて様々な角度から多くの人たちと考えることを今回は提案しました。丁寧な暮らし=プロセスを楽しむ暮らしのまさに実践。答えをだすわけでもなく、何か結果を導くのでもない、ただただみんなで考えることを楽しむ!それをこれからの活動のテーマとしたいと思いました。
  •  今回出会えた皆さんと、アイディアを出しながら、形にこだわらずに「丁寧な暮らしを考える」ことで繋がり、考えることを楽しめる、そんな活動にしていけたらと思います。また、このワークショップでの出会いが繋がりとなり、皆さんの幸せの一助になればと思う。今回の参加者のほとんどが主婦の方でしたが、働く女性にむけても発信する機会があれば、また違った場が作れるのではと思います。