町会でつながる

~千代田のつながり探究ガイドより

町会とはどのような存在?

「町会」は、町に住む人たちが中心になり、自分たちの町を自分たちで守り、より暮らしやすくしていこうと協力し合う団体として存在しています。 地域のつながりを深めるイベントなどの交流活動、区や警察や消防とも連携した防災・防犯の活動、子育てや高齢者の暮らしを互助で支える活動、町の清掃などの暮らしの環境整備、伝統ある祭りへの 参加など、地域を守り立てる活動をしています。
新しく住み始めた方やお店を始めた方には、これまで町会などの地域活動に参加したことがない方、活動のイメージを持てないと思う方、負担感が大きいのでは?と懸念している方もいるかもしれません。

町会の基本には、町が好きという気持ちと、町で住み、働く人たちの交流を通しての信頼関係があります。新しく来たばかりで、急にその町に愛着を持つことも、既に長く深くつながっている関係の中に入ることも難しいことは、町会 員もわかっています。
まず、町を歩いてみて、いいな、面白いなと思うことから始めるのもいいでしょう。区内各地にある町名由来板を見て、この町の歴史やこれまでに思いをはせてみてください。そして、身近で行われているイペントに顔を出してみてください。その時、運営している人に「最近、住み始めたのですが…」と声をかけてみてください。人や町と出会うとこ ろから始めてみませんか?

町会は地域のつながりの窓口に

令和元年度の千代田区民世論調査では、約7割の人が「地域でのつながりを充実させたい」と回答しています。
近隣の人も含めて、地域とどうつながるといいでしょうか?
そこで、「地域でのつながりに窓口となる人がいる」と回答した3割に、どういった方が窓口 か聞いてみると、「町会関係者」が半数を占めました。
町会との関わりは、地域の様々な人や機関につながるきっかけとなっています。

吉田春恵さん

千代田区に住み始めたものの、仕事も忙しくて、ご近所づきあい もなく、ずっとこの先こうした状況で大丈夫かなと不安に思ってい たところ、「神田祭に参加しませんか」という町会からの案内をみ て、「これだ」と応募したのが、IIIJ会活動への参加のきっかけです。 町会に参加してみて、お勧めのお店などを教えてもらうことで、町 をぐっと身近に感じることができました。自分の業界でない人と地 域で出会うことは仕事の上でも大変刺激になってます。祭りやイ ベントで一緒に活動する中で、心割って話せる知人が増え、声を かけて食事したり、一緒に遊びに行く人もできました。
今ではSEのスキルを活かし、町会や連合町会のホームページやIT活動を手伝っています。

森山洋一さん

地元の4代目ですが、ずっと会社員で働いていたため、これまで地域との 関わりはなく、むしろ避けていたくらいでした。ところが、定年退職後にマンション管理組合の理事長となり、そこで知り合ったご夫妻が地域活動を 始めたのをきっかけに、地域活動や町会のホー ムペー ジづくりに参加するようになりました。町会行事の取材記事に加えて、地元に役立つ情報収集にアンテナを広げています。これまであまり町会に関わっていなかった 視点からの情報発信によって、新住民のみなさんにも、地域や町会の活 動を知ってもらえたらと熱心に活動するようになりました。どうしてこんな に熱中するかと自問自答したところ、「地元愛」が自分にもあったことに気 付き、驚きつつも、充実した毎日を送っています。

堀井一朗さん

明治から100年以上続く神田更科の4代目です。新しく住み始め た方にも、江戸から続く町名を誇りに、その町で産まれ育ち、そし て働いている人がいることを知っていただければと思っています。 町の安全・安心のパトロ ル 一斉清掃、交通安全、子供達の見守り、そして千代田区の運動会、みんながポランティアで町の為に汗を流しています。これらの活動の10年後20年後を考えた時、 新しい住民の方の力が必要です。私も積極的に声がけをしてお り、祭り、レクリエー ション、流しそうめんなど、新しい方も気軽に参加できる企画もしています。歴史や文化を知ってもらいながら、新しいことを始めています。

杉田宗一さん

番町地区では大規模マンションが増え、再開発も進んでい ることで、地域のつながりをどう広げるかが課題となっています。四番町町会には、現役会社員の方も参加し、災害へ の備えや交流を進めています。山王祭、日本テレビ大通り 振興会「納涼盆踊り」、番町連合による「ししまい、もちつき大会」など、番町に住む子供たちに日本の伝統的な風物詩を体験してもらえたらと思っています。春の潮干狩りや国 立劇場歌舞伎鑑賞会などユニークな企画にも取り組んでいます。イベントをきっかけに、地域のことに興味を持った