性別や年齢、障がいの有無、出自や国政などで差別されない、また、困難な状況や社会的に不利な状態に陥っても新しい機会につながることができ、助け合える。そんな「誰一人取り残さない社会」の実現は、SDGsにも掲げられた21世紀の世界と地域のテーマです。
その実現には、政府・自治体だけでなく、企業、NPO、地域社会、個人、それぞれの取り組みが必要ですが、個別に取り組んでは大きな変化を起こせません。機会づくりも助け合いも、地域でのつながりがあってこそ実現できるでしょう。
新型コロナウイルスの影響によって千代田でも様々な困難が浮かび上がっています。これから誰一人取り残さない千代田を実現するには、どのような課題があり、どのような機会が必要なのでしょうか。その実現のために、個人、ボランティアにできること、地域のお店や企業ができることは何でしょうか? 一緒に考えてみませんか。
対話の内容
<まとめ>
・人数が少ないために知られにくい方々に関心を持つことが大事。交流を体験できる機会を増やす。
・千代田区の中に点在しているリッチな社会資源を、形を整えてマッチングしていく
<話題提供者の問いかけ>
◎新井克巳さん りぷりんと・ネットワーク
「年齢、立場などを超え助け合うには?」
地域には、数が少ないがゆえにあまり知られてなく、光が当たることが少ない人たちがいます。知られていないがゆえに、誤解があったり、交流の機会がなかったりします。この状況に対して、分野を超えてどんなことができるでしょうか。
◎堀田徹さん 千代田区立障害者福祉センターえみふる
「障がいを持つ人も地域で活躍できるようになるには?」
障害は特別なものではなく、障害者の方と交流には、どんな人とのコミュニケーションに必要な「配慮と気遣い」で充分です。障碍者の人と、地域の人との交流を広げるにはどうしたらよいでしょうか。
◎木崎もえさん ちよだ日本語カフェSwan
「外国人支援のために区民ができることは?」
千代田には他地域に比べ、外国人の方が少ないため、多言語対応などの配慮が十分とはいえません。また、コロナの影響で、生活の困窮や孤立も問題です。外国人の方も安心して暮らせるようにするためには、どうしたらいいのでしょうか。
<主な意見>
・障がい者・外国人といって分けるのではなく、地域の中で一緒に楽しいことを経験し、お互いを知り合う機会があるとよい。街の中に障碍者の人が働くカフェを作りたい。
・生きづらさを感じている方がどういうことに困っているのか、どう思っているのかの発信が足りていない。対象は違っても「伝わっていない情報」を一緒に地域に伝えることはできるのでは。
・千代田区にはボランティアをしたい人、企業はたくさんある。そういう人へ情報提供する、マッチングができたら広がりがでるのではないか。
・そもそも数が少ないから光が当たらないというのは違う。その方々のニーズを浮かび上がらせることで、すべての人にとって生きやすい社会へとつながる。
・千代田区には色々なリソースがありリッチなパワーがあるのが特徴。しかし、点であり、その点を結び付けるところが脆弱ではないか。
・知ることで興味を持つことが一番大事。のぞいてみる体験してもらうことで交流が広がるきっかけになる。
・困った人がいれば、ここに行けばいいよと伝えられる人が増えてもらいたい。
・当事者同士だからこそ、理解し合い支え合うピアサポートもある。そうした場も必要ではないか。