【イベントレポート】ちよだコミュニティ ラボライブ!

2018年3月10日(土)、千代田区役所 1階の区民ホールにて、千代田での活動の可能性を、共に探る100人会議ちよだコミュニティ ラボライブ!」が開催されました。

千代田区での活動を始めたい人、地域経験が豊富な人、活動に取り組んでいる人ら100人が多様な分野・立場から集まり、出会い、千代田での暮らしと活動の可能性について対話し、実践者の連携や協力、新しい活動を生み出す基盤をつくっていくことを目指して開催された本イベント。

区内で活動する約32の団体等が「実行委員」としてイベントの企画・運営に参画し、共に作ってきました。

当日は、町会、NPO、大学、企業など千代田区に関わる様々な立場の方たち約120名にご参加いただき、交流と対話を楽しみました。

当日の様子を紹介させて頂きます。

■第1部 基調シンポジウム

イベントは、13:00にスタート。
少しずつ、一般参加の方々も集まり、会場の端々から談笑する声が聞こえてきました。

一度、講演会形式に会場を転換し、奥の方へ集合。

ちよだコミュニティラボ事務局の広石から会の概要について説明後、最初に千代田区長 石川雅己よりご挨拶させて頂きました。石川からは、千代田区は、全国的にみて急激に住民が増えている地域である上に、区民6万人に対して、昼間人口が85万人、訪問や観光で来る人も350万人など非常にまれな特徴があること、マンション住民の増加とともに住宅のオートロック化が進み、従来からのつながりができにくくなくなってきているため、そういった意味で今日のイベントが、新しい繋がりを生み、これらの課題を解決する一助となることを期待している旨が話されました。

その後、アイスブレイク(初対面同士の緊張を和らげる手法)として、居住/活動/勤務など関わりがあるエリアごとにグループを作ってもらい、それぞれで自己紹介と合わせて「千代田区で活動したいこと」について、話し合ってもらいました。

普段は近くに居ながらも、接点が無かった人同士の交流の場となりました。

アイスブレイク後は、基調シンポジウム「今、変わりつつある千代田のコミュニティ」と題して、神田公園地区連合町会の方々から、本年度の地域課題解決支援事業の報告もかねて、地域の課題と今後の取組みについて紹介いただきました。

各町会長より以下のような話が語られました。

  • これからは、マンション住民の方にも参加いただかないと町会は成り立たないと思っている。
  • 神田祭や盆踊りなど、準備のための人が不足している状態である。新しい方も、お祭りなどは当日だけでなく、準備から片付けまでを一緒に地域の人と行うことで、町にしっかり根付いた関係ができるのではと思う。
  • 企業の法人会員参画が欠かせないが、最近は、テナントビルの老朽化や区画開発などで、建て替えが進み、町会員だった企業も転出していくことが多くなっている。どうしたら、社員の方も町会の行事に参加してくれるのかというのも考えている。
  • 町会の役割とは何かを考えていくうちに、町会以外のコミュニティをつくるためにも、町会が一つの起爆剤になるという役割もあるのではと考えている。
  • 本事業に参加することで、私たちの気持ちの持ち方を変えなければならないということが、この1年間で大きく気づかされたことだと思う。
  • 新たな神田公園地区を紹介する冊子を製作中である。町会行事には楽しいことがあり、いろんなお店もあるというところを入口に、神田と町会を紹介している。冊子を通じて、地域や町会のことをもっと知ってもらって、どんどん町会に入ってもらえることを期待したいと思う。

シンポジウム後は、2017年7月より開催してきた、ちょだコミュニティラボ主催のゼミ「マンション・コミュニティ・ゼミ」から生まれた活動と課題について、簡単に広石から説明させて頂きました。

■第2部 テーマ別100人会議

その後は、以下の5つのテーマに分かれて「テーマ別100人会議」が行われました。

テーマ1. 都心の子育て・教育を助け合うには?

テーマ2. 地域、マンションでの孤立を防ぎ、つながりをつくるには?

テーマ3. 街の文化、記録・記憶を引き継いでいくには?

テーマ4. 街で自分を活かし、やりがいを充たすには?

テーマ5. これからの新しいコミュニティとは?

会議は、「話題提供者による活動紹介」と「テーブル・トーク」に分かれて実施。
「話題提供者による活動紹介」では、実行委員からの有志話題提供者となり、各自の活動を参加者の方向けに発表しました。
(話題提供者については下記リンク先を参照ください。)
https://chiyolab.jp/lablive_member

活動紹介の前後に、話題提供者ごとのテーブルでは「テーブル・トーク」として、話題提供者の活動詳細を聞いたり、テーマや自分の関心・活動・協力したいことについての話し合いなどが行われました。

また、話題提供者ごとにパネル展示も行われ、じっくりと眺める参加者の方もいらっしゃいました。

実行委員と参加者との交流だけでなく、実行委員同士や参加者同士の交流も各所で行われ、会場全体が熱気を帯びていきました。

■第3部 全体交流100人会議

「テーマ別100人会議」の後は、「全体交流100人会議」と題した、5テーマの枠をバラした上で約5名ずつのグループに分かれて、各テーブルで話し合う時間に。
第2部まではテーマや分野ごとにエリアが分かれおり交流できない人も多かったため、テーマや分野をまたいで、より多くの人と交流してもらうことを目的に用意しました。

グループごとに一人ひとり自己紹介して頂いた後、まずは「今日の感想、千代田の現状について感じたこと」について話し合っていただきました。

その後、グループをシャッフルし「これからの千代田で活動したいこと、連携したいこと」をテーマに話し合って頂きました。

テーマや活動地域に関係ないグループに分かれて頂いたからか、各テーブルで議論は盛り上がり、会の中で最も賑やかな時間となりました。

熱気も冷めない中となりましたが、終了後、いくつかのグループの方に、代表して出てきたお話を共有いただきました。

  • ボランティアで地域のことをこんなに考えている人が集まっていることに驚いた。こうした様子をみると、千代田区のこれからは明るいと思った。
  • 楽しかった。事務局とこれからも組んで、神田だけでなく、いい千代田にしたいと思った。
  • 普段出会うことのない学生さんと交流ができてすごく有意義であった。
  • 本日は地域活動の先輩方もいらっしゃったが、地域で活動を進めていく上で、外からは見えないが、みなさん同じような悩みをみんな抱えているのだと、想いを共有することができた。
  • 学生さんを先輩方が激励してくれるのがよかったと思った。また、千代田区に通っていて千代田区で何かやりたいというサラリーマンの方が参加してくれたことは大きいと思う。彼らに何かのきっかけを提供できたことは有意義であると思う。

また、参加した町会長さんも、町会は町会内のことは知っているが他のことはなかなか見えにくい。また、町会同士が連携して何か新しいことをやるにも人手などの問題もありなかなかできないが、外からの協力要請があれば検討したい。こういう機会に知り合い、ぜひ町会のネットワークを活用してもらいたいとおっしゃっていました。

クロージングとして事務局の広石より挨拶をさせて頂き、会は終了。

その後も、各地で名刺交換や挨拶をされる方、パネル展示に見入る方などがいらっしゃり、これで終わりではなく、新たに、ここから始まるのだという意識を強くしました。

■参加者の声及びアンケート結果抜粋

レポートの最後に、参加者の方々のアンケートを抜粋して紹介させて頂きます。

【参加者の声】

  • 千代田区に関わる人たちがこんなにも多くいること、いろいろな方が有意義な活動をされていることに感動しました。
  • 1年に1~2回、こういった規模のライブ企画を実施していただきたい。併せて町会やマンション管理組合の若手活動化の方々の話のシンポジウムも実施してほしい。
  • まだまだ知らない活動がたくさんあり、千代田区の層の厚さ、深見、幅広さを感じました。新しい発想やコラボなど可能性は無限です。
  • 「コミュニティ」というキーワードを軸に、様々な活動をしている方々と知り合えて、アドバイス等もいただきました。ありがとうございます。
  • 個々で活動される団体や、組織が多いので、横のつながりが広がればすばらしいと感じた。町会の皆さまがとてもステキなので連携したらすばらしい。
  • 様々な団体が様々なやり方で千代田区を良くしようと活動していて、色々な方向からアプローチをしていくことで、みんなに満足してもらえるような区になるのではないかと感じた。
  • 100人以上の人が参加し、多様な意見が述べられたこと、若い大学生からシニア世代まで、千代田区でのコミュニティについて考えるといることは、横のつながりを持ちながら発展していくのではないかと考えます。
  •  千代田区の新たな一面を見ることができたと思います。自分が行っている活動とは違った角度から千代田区を考えることができました。区や団体同士がつながって協働していけたら、よりよくなるのではないかと考えました。
  •  我々の団体に足りないもの、我々の団体の課題が明確化したと共に、共に協力できそうな団体も見つかった。とても良い機会だと思いました。
  •  他の企業の方との交流を通じて、多面的な意見を伺うことができて、とても貴重な会となりました。大人の方が多いように感じました。
  •  さまざまな活動ができるフィールドは手厚く用意されていると思いました。それを活用できる情報発信が必要だと思います。

【アンケート結果抜粋】

〇本日のイベントが、今後、どのようなことに活かせそうですか(n=57 )

〇参加者の様子

・千代田区との関わり(n=57)

・年齢(n=57)

※ただし、アンケートの回答率が、44.9%であるため、年齢構成、住民比率のデータについては全参加者数の傾向を反映しているものではない。あくまでも回答者の傾向である。

頂いた感想や意見を反映し、今後もちよだコミュニティラボの運営を進めていきます。

以上でレポートを終了します。