【ゼミ 第9回:レポート】プロジェクトの企画を深める

「マンション・コミュニティ・ゼミ」の第9回が2017年11月25日(水)19:00~、千代田区役所内の会議室にて開催されました。

今回のテーマは、前回までに出されたプロジェクトの企画の具体化を進めました。各チームで考えてきたイベント・アイデアについて、進捗を確認し、話を進めました。ゼミに欠席された方とは個別ミーティングをもって進めました。その内容も合わせてご紹介します。

■ワーク「イベント・アイデアのフィードバック」

まずは各チームの進捗を確認し、企画で課題となっていることを具体化していきました。

◯イベント・アイデア①街で支え合う子育て @外神田

子育て世帯の課題を調査していく中で気付いた課題としては
・子ども連れで集まれる場所が少ない。
・日曜の外出で、どうしようか困っているのでは?
・子連れで近隣の休憩・お出かかけの情報交換がオンラインやリアルできるような仲間ができる事
児童館の日曜開放にも親子が少ない(職員もほとんどいない)

神田・秋葉原エリアで未就学児を持つ親子が、休日を一緒に過ごせるような相手を見つけることができるといいのではないかと考えました。

▼イベント活動案

・神田・秋葉原エリアでおむつ交換ができる場所などの情報を共有する
・日時:日曜・祝日の昼間(日曜に児童館に行ったらご近所の知り合いがいる状況ができた嬉しい)

▼告知方法は、・町会、児童館、保育園、幼稚園もあるが、小児科、子連れが多い店舗もいい。オンラインの交流から始めるといいのでは?

▼スケジュール
・11月後半SNSアカウント開設、メンバー募集、連携できる団体を調べる
・12月:イベント開催日と場所の決定
・1月:イベント開催予定

◯イベント・アイデア②防災・歴史情報誌の改訂作業を通しての交流 @四番町

▼イベントの目的

マンションに住むいろいろな方々が、町会会員・非会員を問わず、町会活動に興味を持ち、イベントに参加するようになる。そのきっかけを作りたい。

▼対象
四番町のマンションにお住まいの方々(特に新住民の親子)

▼内容
①四番町地区のマンションにお住まいの方々は、町会活動に興味をお持ちの方は少ないかもしれないが、防災については関心が高いと思われるので、防災に関係したイベントを企画する。
②最近、番町地区のマンションに引っ越してこられた方々は、地元の歴史や文化に詳しくないので、これらの方々に情報を提供する。
③いきなり町会というのはハードルが高いので、目的が明確で、期間も定まっているプロジェクトに参加いただく。

▼イベント名
「四番町町会 防災・歴史情報誌 改訂版」の発行

2011年に四番町町会で作成した「防災マップ」の改訂版を会員・非会員を問わずに一緒に参加してもらって改訂作業を行う。

・編集に携わる方を集める前に、まちあるきイベントの開催
・地元の方の経験やネットワークの有効活用
子ども版の開発、子ども用イベントの開催
・地域の古い写真などの記録、アーカイブ
動画の活用
Web版のMAPLINE@を作成
トイレなどに貼れ、生活の中で触れ合えるポスターを作成(既に元の冊子の表紙が「SOS」になっていて、困った時に窓に貼れば助けを求められる仕組みに)

◯イベント・アイデア③ 次の仕事ネットワーク @富士見

会社員の退職前後は地域に目が向くタイミングで、そのタイミングで、どう地域とつながるか、ゼミ参加者の実体験も踏まえて話し合いました。

会社の仕事を辞めて、自由になる時間がぐっと増えるのですが、この時間をどう過ごすのか、会社員が長いと困ってしまう人も多いでしょう。地域のボランティアなどの社会貢献もいいが、仕事や趣味も大切にしたい。この3つのバランスをとっていくことが大切ではないか。そのような時間の過ごし方を、近くにいる人と定期的に話しながら考えていけたらいいのではないか。千代田区にも社会にもたくさんのリソースがあるが、他の人がどのように考え、何がお勧めか、情報交換できる機会は少ないのでは?

勉強会から始め、倶楽部活動を立ち上げていけたらというアイデアにまとまってきました。

◯イベント・アイデア④ちよだに住み続けるイベント @麹町

タイトルは「ちよだに住み続ける為」プロジェクト。

千代田区の課題の1つは「千代田区に暮らし、千代田区が好きになり、千代田区に住み続けたいが、結婚や子育て、子どもの成長の他員民具で千代田区からの転出も多い。

千代田区転出の理由の1つは、「独身から既婚・家族が増えると間取りが必要となり、千代田区の住宅(賃料、購入費)が格段に高く、好きなのに現実的に住み続けることがむずかしくなる」。この課題を打破しない限り、転出により、土地の歴史、祭、行事がいつしか消えてしまうかもしれない。

そこで、千代田区のこれからの5年、10年先を見てのアクションプランを考える。

具体案として
①千代田区にいる30~40代向けの、ためになるセミナーを開催
②千代田区に暮らしている、独身者を助ける
③若い世代が住み続ける会議/ちよだ若者イベント/ちよだ地域メディアの/若者財源の確保。

そこで色々なアイデアが出されました。

・情報発信する動画制作
・「あらぶんちょ」などの既存ローカル放送局の活用
・若い世代同士で「住み続けたいか」「住み続けたくないか」を議論
・いかに狭い家を上手く活用するかを考える
・地元の消防団の人をかっこよく撮影したカレンダーを作成
・住むに当たっての実現可能性を検討する
・「住み始めた理由」「今、感じていること」「住み続ける方法」を考える
・タイトルとして「千代田区に住み続ける10の理由」など

◯イベント・アイデア⑤ マンションの高齢期の暮らしを考える @番町

千代田区の住民の9割がマンション暮らしということは、これからマンションの中で高齢期を過ごす人が増えていきます。問題意識として、マンションのプライバシー重視の構造は、若い時にはいいのですが、高齢期には様々なハードルになるのではないか、ということが話し合われました。

オートロックで外からアクセスできないと、民生委員なども接点を持てない。認知症が始まったらドアを開ける時のミスなどで必要なコンタクトもとれなくなるかも。千代田でも孤立死が起きている。災害時に高層階の人の安否確認、もし逃げ遅れたら悲劇がたくさん起きる。高齢者にとって、壁をやぶる、ベランダからの避難梯子などは難しいのでは?

若い人が想定されているが、後期高齢者の一人暮らしへの対応をとっていく必要があるのではないか。

ただ、このような問題を課題や危機感をあおるだけでは人は関心を持ってくれないのではないだろうか?

今、介護予防にも、認知症予防にも、社会性の大切さが指摘されている。マンションの中でつながりがあることは、防災だけでなく、介護や認知症を予防できるという意味もあるので、そのメリットを訴えるようなイベントをしていきたいという話にまとまってきました。

■講義「広報を考える」

この後、広石より簡単に広報について講義させて頂きました。

人の関心あること」は「今の自分の状況・状態」から「良い自分の状況・状態」になるための「行動・体験」で、「行動・体験する理由・言い訳」をつくる必要があります。

広報を考える3種類の情報としては
①足を止める情報【大】
→歩いていて目に入ってくる=既に関心を持っている、気になっていること
②近づいて見る情報【中】
→自分にとって意味あるか判断、日時・場所対象、得られること、ユニークさ
③持ち帰って読む情報【小】
→確認すべき情報

この3つを意識しながら広報の手段を考えましょうという話で会は終了しました。

次回、第10回は12/6(水)に開催。
イベント実施前の進捗の確認を行います。

以上で、第9回「実践前の中間振り返り」のレポートは終わります。