【ゼミ 第2回:レポート】コミュニティ運営の基礎知識

「マンション・コミュニティ・ゼミ」の第2回が2017年7月25日(火)19:00~、千代田区役所内の会議室にて開催されました。

今回のテーマは「コミュニティ運営の基礎知識」。現代の社会では、かつての地縁の強いつながりは失われています。そんな時代に、どのように「コミュニティ」を考えていけばいいのか、理論や事例の紹介も踏まえて、10名のゼミ生のみなさんと対話を行いました。

導入講義「コミュニティ運営の基礎知識」

前半は、新たにご参加いただいたゼミ生の方の自己紹介の後、第1回の内容の復習もかねて、進行役の広石より「コミュニティ運営の基礎知識」についてご紹介させて頂きました。

ゼミでは、コミュニティを「¡地域に住む人たち、関わる人たちがつながり、助け合ったり、支えあったりできる関係」といったん定義しています。これからゼミ生のみなさんで、これからの千代田にとって、どのような定義がふさわしいか考えていきたいとも考えています。

現代社会では、生まれ育った町で一生を過ごす人ばかりではありません。自分の利便性や部屋の間取り、価格で住居を選びます。近年は、セキュリティからもプライバシー重視も広がっています。また、かつては町に住むとご近所とのつながりは生活に不可欠でしたが、近年は社会サービスの充実で、ご近所に関わらずとも暮らしていけると考えてしまいがちです。また、職場が離れていると町で過ごす時間が短く、同じ時間を過ごすのも限られています。色々な点でコミュニティにとって不利な状況があります。

そのような時代には、少しずつつながる機会を通して「関係性を育んでいく」コミュニティが必要となります。
現代を生きる人も「自分の居場所や出番があり、一員として属していると思えるコミュニティ」を求めています。若い世代にも、地域での活動に興味を持っている人は増えていますが、強い地縁関係への抵抗感、きっかけ、異なる考えの人の合意の難しさなどの課題もあります。

※ こちらの内容の詳細は、別途、「コミュニティの基礎知識」として情報源のコーナーで紹介していきます。最初の記事については下記をご覧ください。
[ゼミより] コミュニティづくりの基礎知識(1)  ちよだコミュニティラボ

対話:コミュニティについて大切だと思うこと、疑問に思うことは?

前半の講義を踏まえて、「コミュニティづくりについて大切だと思うこと、どうしたら良い?と思ったこと」について、2つの班に分かれて話し合いました。

<出された意見(抜粋)>

<大切なこと・可能性>
  • コミュニティはつくるものという意識が無かった。地元の再開発に併せて改めて考えたい。
  • コミュニティは「居場所」だと思っていたが、そこに「出番(自分の考えが言える、役に立つ)」が大切というのは、その通りだと思った。
  • 参加のしやすさにはルールが明確になっていることが大切というのは発見だった。
  • 季節の行事の飾り付けをするだけでもコミュニティへの緩やかな参加の第一歩として効果が大きいのではないか。
  • 若い世代を中心に会社への帰属意識が以前よりも下がっていることは地域でのコミュニティづくりの上ではチャンスではないか。
  • 若い世代がコミュニティに参加するのは、そこに学びなど得るものがある時。その動機づくりが大切。
  • 高齢者が健康を維持するために、もっと外に出ていく機会が増えれば良い。その機会を増やすのもコミュニティの役割ではないか。
  • 最近は高齢者の方もインターネットを使うので、インターネット上で積極的に情報を流してもらえると良いのではないか。
  • マンションはセキュリティがあるからこそ住民だと分かる安心感もあり、それが交流につながることもある。
  • 地元に人が増えているのに、地域では今まで通りのことしかできていない。新しい住民の意見を聞いて新しいアイデアで行えば良いと思う。
<難しさ>
  • 地域住民それぞれにライフスタイルや暮らしやすさに対する考え方など条件が違うので課題や目標設定が難しい
  • 生活時間が合わないので、そもそも地域住民同士で意見交換することすら難しい
  • ルールは大切ということだが、現状では管理組合の役員の決め方のルールなどが定まっていない。
  • 自分のマンションでイベントをやるにも管理組合を通さなければいけない場合があり、意思決定が難しい。
  • セキュリティが高いマンションでは住民の方へのアクセスが難しい。地域の情報を求めているマンション住民へのアクセスのためには管理組合や管理会社への働きかけも必要。
  • 単身世帯が多いマンションは人が入れ替わりやすい。どうコミュニティを築けば良いか悩ましい。
  • 分譲の人と賃貸の人が同じマンションに住んでいるので、考え方が違うのが難しい。

対話:これからのコミュニティで、ちょうど良い関係とは?

導入講義でも、かつてのような強い知縁関係は望む人は少ないという話が出ていました。マンションや地域で「つながる」といったとしても」これからのコミュニティは昔の村社会に戻ることではないでしょう。では、「これからのコミュニティで、ちょうど良い関係」とは、どのようなものなのでしょうか? それぞれのイメージを出し合いました。

〇出された意見(抜粋)

  • 多様な人がお互いを認め合い、尊重することが基盤にあることが大切。
  • 自分が住むマンションでは住民全員が廊下で会ったら会釈し合える関係を目指したい。
  • フランクな交流会を通じて、住民同士がお互いを知り合えると良い。
  • 挨拶や声掛けを自分からしていると、自分自身がゴミ出しなどで困っている時に配慮してることもある。自分から関わろうとベストを尽くすことで相手も関わろうと思ってくれることを信じ、その姿勢を保つことが大切ではない
  • 困っているときは、管理人をしている自分に相談が来る。関わり方は異なっても、困った時に頼れる人がいたり、お互い助け合えたりするくらいの関係が良いのではないか。
  • マンション内に課題を共有できる人がいない。コミュニティの範囲を広げ、同じ課題を共有できる人とのつながりができれば良い。
  • マンション管理についてはマンション住民全員で共有できる課題なので、その課題を解決するコミュニティも良いかもしれない。
  • 知り合いたいが人間関係のストレスが無いのが良い。近づきすぎず離れすぎず、常に50cmくらい離れている距離感が大切ではないか。踏み込みすぎると軋轢が生まれそう。
  • 以前、長屋に住んでいた時、隣同士もお互いは玄関先までという付き合いをしていた。距離感の制限が必要
  • 自分自身が外部で習ってきた情報を共有することが、コミュニティのはじめの一歩になると思っている。
  • 既存のお稽古やママ友、ランチ会のようなものに飽きている人も多いので、テーマを共有できるコミュニティが欲しい。
  • マンションには色々な人がいるので、ちょうど良さは、それぞれに違う。例えば、お子さんがいる人同士は中が良くても、そういった関係を全ての人が同じくすることはない。
  • イベントの受付でも椅子並べでもコミュニティ運営の手伝えたらと思っている。
  • 顔の見えるコミュニティは20~30人が限界だと思う。それ以上の人数では、困りごとを相談されても対応できない。
  • イベントで何十人も参加していても、その後も仲良く付き合っていけるのは5~6人。そのくらいの付き合い方が良いのではないか。
  • 全員で同等につながるというより、それぞれが少しずつ何かしらのことで重なってつながり、孤独者が居ないようにするのが、ちょうど良いつながり方ではないかと思う。そうした、ちょっとしたつながりが困った時や何かあった時の安心になる。る。

第1回とは違うメンバーの班で話し合いましたが、ゼミ生同士も顔見知りの方が増えてきたためか、皆さんの話している時のお顔が柔らかく、時折、笑い声が漏れるなど、第1回より対話が盛り上がっていました。ゼミ生の中でも、少しずつ関係ができてきているのだと感じます。

以上、第2回「コミュニティ運営の基礎知識」のレポートをお伝えしました。

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