【ゼミ 第1回:レポート②】東京パークタワーのコミュニティ活動の紹介

レポート①では「マンション・コミュニティ・ゼミ第1回」全体の流れを紹介しましたが、今回はゲストとしてお越し頂いた、東京パークタワー管理組合理事長の柿内健介さんによる「東京パークタワーでのコミュニティ活動」についてのお話を紹介させて頂きます。

柿内さんは、東京パークタワーというマンションの、住宅管理組合 理事長。東京パークタワーは神保町1丁目に、オフィスビル2棟と共に建てられました。マンションは302世帯。他に、店舗・事務所が20事業入る、複合型住宅で。平成15年3月竣工で、柿内さんは竣工当時から入居されています。

規模によって条件が違うので正解はないという前置きの後、ご自身のマンションでのコミュニティ事例についてお話くださいました。

まず、防災訓練については年2回、行われているそうです。具体的なテーマを決めて地震や火災を想定して、防災備品の確認や各住戸での点呼確認などを行っています。東日本大震災以降、地震への不安が多くなっているので、最近は地震を想定しての防災訓練が主になっているそうです。

続いて、神田でのコミュニティ活動といえば、「神田祭」への参加。
マンション住民の方は神保町1丁目町会として参加されています。 管理組合で「東京パークタワー」の名を入れた半纏をつくっており、毎年、たくさんのマンション住民の方が参加されています。最近は、住民の方が各自で半纏をつくられる人も増えてきているそうです。

夏には、毎年、納涼懇親会とサマーコンサートを行っています。
納涼懇親会は参加費500円で、食事もお酒も出しています。ただ、それだけでは交流につながらない方もいるため、コンサートを企画されました。コンサートについては、地域の楽器店の奏者の方、近くの郵便局にお勤めの芸大出身の職員さん、地元の音楽教室、PTAのOB・OGによる合唱サークルの方など地元にゆかりのある方を中心にお願いしています。冬は、クリスマスコンサートとしてゴスペルなどが演じられるとか。

さらに、より多くの住民の方が参加できるように毎年、休日の日中には文化祭を開催しています。
住民の方が描かれた水彩画や油絵などの展示が主で、描かれた方による作品の説明から交流が生まれるとか。普段、お酒が出るような場には行きたくないと言う方も参加してくださるそうです。
他に、お茶の先生が茶を点てたり、琴の先生が琴の演奏をしたりと、多才な住民の方の力を活かした様々な催しを企画されています。

地元町会との連携にも積極的で、管理組合内に「町会担当」という役職をつくり理事3名が担当しています。 町会担当は、町会の役員会にも毎回、参加しています。
初めて町会担当になった人は町会に入りづらさを感じるようですが、参加すると楽しくなり、半年もすれば、まちなかで自然に挨拶するほど、仲良くなるそうです。

町会の新年会にも代表で理事長が参加していますが、マンション住民の方が自分から申し込んだり、町会の敬老のつどいについても、マンション内で70歳以上の方に声をかけると積極的に参加してくれたりと、マンション住民の方と地元町会との連携は深まっています。

マンション住民の方の自主的なコミュニティ活動事例としては、皇居でジョギングをしている方同士がグループを作り、小学生から50代くらいの方まで、マンションで集合→皇居一周→終わったら大人は飲み会という交流も始まっています。

他にも、柿内さんご自身は、公益財団法人まちみらい千代田主催の「マンション連絡会」にも参加し、他のマンションの管理組合の方たちと、困ったことや事例を共有することが、運営の改善につながっているそうです。

お話の後には質疑応答が活発に行われました。

Q. コミュニティ活動やイベントへの参加者を、どのように広げているのですか?

A. エレベーターでお会いしているだけの方を、お誘いすることはなかなか難しいです。また案内を貼るだけでも難しいので、先ずは管理組合の理事会のメンバーと開催する趣旨を共有し、参加してもらいます。理事は毎年変わるので、それだけ趣旨を理解している人が蓄積していくことになります。私が5年間、理事長として残り続けているのは、このような活動を理解する人を蓄積できればと思っているからです。懇親会やコンサートの時は、参加者の方に一人でも多くの知り合いを作ってくださいと声掛けしています。
あと、町会などの活動にアレルギー反応がある人もいますが、とにかくまず、参加してもらうようにしています。町会担当理事を3名も設定しているのは、それが町会と出会う人を増やしたいという意味もあります。

Q. マンションとして町会に入ったのは、どのタイミングからですか?

A. 最初からマンションの入居条件として町会費の支払いが入っています。払わない人は入居できません。町会費は月300円です。管理組合で一括して入会しています。町会の議決権はマンション一括で1となっています。

Q. 町会との連携の意義について、住民の方にはどう伝えていますか?

A. マンション管理組合の活動目的と、町会の活動目的は一致している訳ではないのが難しいところです。町会費の支払いや町会に参加する意味について尋ねられた時には、住んでいるマンションの外で何かあった時に、地域で助け合う必要が出てくると。そのために、顔見知りであることは大事だとお話しています。

Q. 小規模のマンションで同様のことをするにはどうすれば良いでしょうか?

A. 一つは町会のイベントとの連携はどうでしょうか? もし近隣のマンションに知り合いがいれば、マンション同士、共同でイベント企画もできると思います。3つくらいのマンションが一緒になって、区民館のホールを使ったり、マンション内の大きめの部屋を使ったりできると思うのです。

柿内さんのお話は、なかなかマンションでのコミュニティ活動の事例についてお話を伺える機会は少ないため、ゼミ生も興味深く聴いていました。マンションの規模や特性などから、まったく同じことはできないとしても、活動のイメージ、地域との関係の持ち方、趣旨を理解する参加者の増やし方など、ご経験に基づいたお話には、他のマンションでも取り入れることができるたくさんのヒントがありました。

※マンション・コミュニティ・ゼミは、まだ追加での参加者を募集しております。
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